2002年04月04日18時32分掲載
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ジブラルタル問題に600万ユーロを要求 英とスペインがEUに
【バルセロナ4日=宮下洋一】スペインと英国の両国領土問題代表は1日、ブリュッセルで欧州連合(EU)のミシェル・バルニエール地域政策部門担当と会談し、ジブラルタルへの設備投資のための資金援助600万ユーロ(約7億円)を要求した。スペインの日刊紙ラ・バングアルディアが2日付け紙面で明らかにした。
この要求に対しバルニエール氏は、「大げさな額である。こんなに小さな領地にこの値段は高すぎる」と主張。ピーター・カルアナジブラルタル主席閣僚は、「この領土の統治権は、売リ物でもなくEUが資金投資すればいいという問題でもない」と繰り返し批判を続けている。一方、スペイン外務大臣のジョゼップ・ピケ氏は、「(資金援助についての)EU側との同意が得られなければ、この問題はこのまま悪化する一方だ」と述べ、EUの対応を批判した。
アンダルシア自治州に接続するこの領土で、この政策を認知したアンダルシア市民は、「われわれはどうなるのだ」といったスローガンを掲げ、意見の場を獲得する動きが出た。
この600万ユーロ交渉以外においてEU側は、両国のジブラルタルスペイン領空港建設、イベリア半島に向けての道路建設、水道設備の供給などの要求をすでに受け入れる態勢を示している。
ジブラルタルはイベリア半島南端に位置する英国領で、人口約3万人、面積は6.5キロ平方メートル。1713年、フェリペ5世(スペイン)がジブラルタルを英国領と承認。現在、住民の約9割が英国人だ。英国とスペインは将来、ジブラルタルに欧州連合法を適用する考えを示している。
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