2002年09月29日02時50分掲載  無料記事
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東京で難民シンポ 人権問題としての対応うったえ

 【東京29日=ベリタ通信】NPO法人・難民支援協会(東京)が主催するパネルディスカッション「どうする日本の難民保護」が28日、東京都内で開かれた。最初に法務省出入国管理政策懇談会・難民に関する専門部会長をつとめる横田洋三さん(中央大教授)が基調報告した。横田さんは「難民問題を人道問題、つまり国家の裁量権としてとらえる時代は終わりつつあり、人権の問題としてとらえる必要がある」と指摘し、瀋陽事件において、国家主権の侵害などがクローズアップされ、難民自身の人権の問題としてとらえられなかったと問題提起した。続けて参議院議員の遠山清彦さん(公明党)は横田さんの意見に同調しながら、「結局、あのとき五人の脱北者らが中国の警察官に連れ戻されていなかったとしたらどうなっていたか。この一点が欠落している」と問題提起。日本が難民を認めようとしない《暗黙の前提》を指摘し、批判した。続けて読売新聞の永峰好美記者(解説部次長)は、中国残留孤児問題などを取材した際に、一度日本に戻ってきたものの、その後黒龍江省や吉林省に戻った人たちの「日本に行っても日本人とみなされなかった」などの言葉を紹介した。 
 
 横田さんはいまこそ、「日本国憲法前文にある『名誉ある地位』を日本は占めなければならない」と強調しつつ、難民認定される以外の、不認定となった人々についても、人間として対応するような国家になることが求められると訴えた。 
 
 横田さんが座長を務める「難民に関する専門部会」は、瀋陽事件が今年5月に発生したあと法務省に設置されたもので、現在、月二、三回のペースで集中的な議論を行っており(内容は非公開)、遅くとも今年末までに答申を出す予定という。遠山議員は「その答申をもとに検討が始まり、来年の通常国会が難民法改正の舞台になるだろう。そのときは民主党もまじえた超党派でぜひとも取り組みたい」と抱負を述べた。 


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