2003年02月04日01時44分掲載
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韓国航空2社に客席数維持の陳情へ テロの後遺症なお続くグアム
【東京4日=稲元洋】日本や韓国からの旅行客による観光収入に依存してきた米領グアム島では、一昨年9月の米同時テロ以来、観光客が激減、島の経済は深刻な打撃から立ち直れずにいる。テロ直後に前年の40%まで落ち込んだ観光客数は、昨年後半からようやく観光客回復の兆しが見え始めたが、昨年12月に大型台風26号の直撃を受けて空港が一時閉鎖、全島が停電して上下水道も寸断される被害を受ける不運に見舞われた。03年に入っても多くのホテルは空室だらけの状況だ。
3日付のサイパンの日刊紙「マリアナ・バラエティ」によると、グアムと各国を結ぶ旅客機の客席総数は、路線の廃止などで昨年同期と比べて20%以上減っている。
最近ではさらに、韓国の航空会社大韓航空とアシアナ航空が、グアム路線の客席数を大幅に削減する方針を新たに明らかにした。同時テロの発生までは、グアムを訪れる韓国人観光客は年々増え続け、グアム側は韓国人観光客を「成長市場」として期待してきただけにショックは大きく、グアム観光当局は、4日からソウルに代表団を送り、両航空会社に対し、現状の客席数を維持するよう「陳情」を行う。また、韓国の旅行業界にグアムが力を入れているウエディング・ツアー」などを売り込む予定。
グアム観光当局は「ただでさえ危機に直面しているグアム経済は、韓国人観光客が減り続けていることで一層の打撃を受けている」と話しているという。
マリアナ・バラエティ紙はまた、米軍のイラク攻撃が開始された場合、グアム、サイパンともにさらなる観光客の減少という深刻な事態に陥るだろうと報じている。
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