2003年02月10日17時42分掲載  無料記事
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“金髪先生”へのデッチ上げ公安事件、第1回控訴審開かれる 東京高裁

 【東京10日=ベリタ通信】元四街道南小学校教諭の渡壁隆志氏(50)が同小学校に在校中、校長に停止中の軽自動車を前進させて傷害を負わせたとする事件で、控訴審の第1回口頭弁論が10日、東京高裁で開かれた。東京高裁第9刑事部の原田國男裁判長は、控訴人(渡壁氏)に対し、名前、生年月日、本籍、住所を確認した上で、今後の立証予定について説明を求めた。 
 
 控訴人側代理人は、自動車工学(交通事故等)の鑑定士が鑑定を行う予定であること、原審で被控訴人(検察)側が提出した衝突時の録音テープなどの鑑定を別の専門家に行ってもらう予定であることなどを述べた。 
 
 渡壁氏側は、もともとこのテープが都合のいいところばかりをつぎはぎしたねつ造の証拠と主張しており、テープに改ざんがあったかどうかを専門の鑑定者に調べてもらう方針だ。 
 
 原田裁判長は、「次回期日までに鑑定書などをできるだけ証拠化してもらい、それをどう扱うかを検討したい」と述べ、この日の審理は約5分で終了した。52席の傍聴席はほぼすべて埋まり、開廷直前まで制服を着た十数人の裁判所職員が入り口を固めるものものしい雰囲気だった。 
 
 渡壁氏は当初からこの事件を「でっち上げの冤罪事件」と主張しており、一審を争ったが昨年3月、千葉地裁は、転倒しただけの事件ながら、執行猶予も付けない懲役1年2カ月の実刑判決を下した。 
 
 渡壁氏は髪を茶色に染めていたことから“金髪先生”という愛称で知られており、国旗国歌法案に反対する立場でテレビ出演するなど活発な行動で公安当局からマークされていたという。 
 
 次回は3月26日午後4時、東京高裁で第2回口頭弁論が開かれる。 


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