2003年03月09日22時19分掲載  無料記事
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2002年の本国送還対象者は4万131人 スペイン

 【バルセロナ8日=宮下洋一】スペインの警察「移民・証明書」課が同国の非政府組織(NGO)カリタス・スペインに提供した情報によると、昨年1年間で、スペイン内務省から本国送還手続きを受けた不法滞在者は4万131人に上り、1万2159人が送還された。残る2万7972人は、スペイン国内で不法滞在の状態が続いている。 
 
 スペイン内務省が本国送還対象者4万131人のうち、実際に送還されたのは全体の30.3%。本国送還命令を受けたままスペイン国内に残っている不法滞在者2万7972人を出身国別で見ると、モロッコ(4753人)が最も多く、次いで、エクアドル(3690人)、ルーマニア(3329人)、コロンビア(2824人)、アルジェリア(2587人)、ウクラニア(1068人)、ブルガリア(663人)、ロシア(632人)、リトアニア(514人)、ブラジル(426人)という順。 
 
 2万7972人の不法滞在者は、出身国で戸籍登録が行われていないことから、送還先の各国政府から承認されていないのが現状。スペイン内務省は、このような無国籍の不法滞在者受け入れを認める2国間協定について検討している。 
 
 社会労働党(PSOE)のコンスエロ・ルミ「社会・移民政策」秘書官は「密入国問題で、本国送還手段は費用がかかるうえ、結果が表れない」と指摘、密入国取引や国境警備対策をより重視するべきことを訴えた。 
 
 一方、スペイン内務省報道官は「警察署がカリタスに提出したデータは公式のもではない」と表明している。 
 
 2001年における本国送還対象者の数は2万3487人で、実際に送還されたのは全体の16.2%だった。 


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