2003年07月03日22時14分掲載  無料記事
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インドネシア:住民投票呼び掛けたアチェの活動家に禁固5年の有罪判決、米政府は遺憾の意を表明

 【東京3日=日刊ベリタ】3日のオーストラリア公共ABC放送によると、インドネシアからの分離・独立を目指す闘争が続く同国スマトラ島北部アチェ特別州で1日、州都バンダアチェの裁判所が、集会の場などで同州独立の是非を問う住民直接投票の実施を呼び掛けた活動家に対し、治安を乱したとして禁固5年の有罪判決を言い渡した。 
 
 有罪判決を受けたのはムハマド・ナザル被告(30)で、今年に入りバンダアチェで開かれた集会などで、アチェ特別州独立の是非を問うため、住民投票の実施を提案、集会参加者らに賛同するよう求めたという。 
 
 この提案が治安を乱す行為にあたるとして、ナザル被告は治安警察に逮捕された。取り調べでは同被告は住民投票の実施だけでなく、独立派武装組織・自由アチェ運動(GAM)への支持も訴えたとされる。 
 
 今回の有罪判決について、米国務省報道官は2日、「反政府的提案とはいえ、それを平和的手段で訴えたナザル被告が厳しい内容の判決を受けたのは遺憾」との見解を明らかにした。 
 
 さらに、同報道官は長引くアチェ紛争について、「米政府は政治対話による平和的解決を支持する」と述べ、軍事力によるGAM掃討作戦を強行しているインドネシア政府をけん制した。 


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