2004年05月02日17時06分掲載
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イラク人への虐待は軍情報機関の指示か 内部報告書も明るみに
【東京2日=齊藤力二朗】イラクの米軍当局者は1日、軍高官がアブグレイブの拘置所で起きたイラク人拘束者への虐待問題で、尋問の際に行き過ぎた行為がなかったかなどを調査していると語った。同当局者によると、拘置所の部隊を統括していたカーピンスキー准将と、6人の兵士がこの問題で拘置所での職務からはずされたと述べた。
報道を総合すると、同准将は、拘置所でのイラク人への尋問は、自分の部隊とは別個の軍諜報機関が行い、部隊の兵士たちは、諜報機関員から、虐待を行うよう命じられたと話した。米中央情報局(CIA)でも、この虐待問題を調べている。
米ワシントン・ポスト紙によると、キューバのグアンタナモ基地から尋問にたけた担当官がイラクに赴任した後から、急に自白を得る率が高くなったという。
一方、英ガーディアン紙は1日、「アブグレイブでのイラク人拘束者に対する扱いは、これまでに言われてきた以上に酷いものらしい。また、軍情報機関からの指令があったようだ」と報じた。
虐待に加わった兵士のひとり、フレデリック軍曹は1月に家族に宛てた手紙で「拘束者から供述を引き出すために、時には死に至るまで、ぎりぎりのところまで圧力を加えた。死体は医者が来るまでの24時間氷付けにされ、カモフラージュするために両腕に血清が差し込まれ、担架で運ばれた」と伝えている。
「このような行為の指令は、軍情報機関から出されているようだ。拘置所で見たこのような行為に関して(上官に)質問をしたところ、回答は、軍情報機関がそのように望んでいるのだというものだった。また、軍情報機関のある将校は、私と同僚たちが拘束者に対して行った“立派な仕事”を祝ってくれた」と書いている。
米ニューヨーカー誌は、米軍が2月に作成した秘密内部報告書を入手。これを基に、この拘置施設には、一人の軍事情報将校と、複数の言語学者が働いていると伝えた。報告書には「兵士たちは、ほうきや椅子で拘束者たちを殴りつけた。また冷水や燐系の液体を浴びせた」などと書かれてあった。
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