2004年07月11日12時18分掲載
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米紙が日本関係記事を大きく掲載 曽我さん再会と苦戦の小泉首相
【ロサンゼルス10日=戸田邦信】10日付の米紙ロサンゼルス・タイムズに、二つの日本関係の記事が大きく掲載された。一つは、9日に北朝鮮の拉致被害者、曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんが、ジャカルタで再会を果たしたこと、もう一つは、参院選で小泉首相が、苦戦しているとの記事だ。ジェンキンスさんは、北朝鮮に脱走した元米兵であり、米国人にもその処遇に関心が集まっている。また、小泉首相については、ブッシュ大統領の“従僕”になったため、人気が落ちる要因になったと伝えた。
曽我さん一家の記事は、「元米兵は、日本人妻と再会果たす」の見出しで、歓迎の花束を持った家族の写真と、曽我さんとジェンキンスさんが抱擁する計2枚の写真が掲載された。
家族の再会は、日本で大きな関心を呼んでいると紹介。また小泉首相が、米政府に対し、ジェンキンスさんが家族と一緒に暮らせるよう、「異例の恩赦」を求めたと述べた。同紙は、米政府は、主要同盟国の高位レベルからの要請を拒否すべきか、あるいは敵国に脱走した兵士を赦免する先例を作るべきか、ジレンマに陥っていると伝えた。
また曽我さんは、日本では、“名士”として扱われ、同情が集まっているが、ジェンキンスさんについては、米国への引き渡しを警戒するなど、再会が遅れた要因を作ったとして、難しい性格とみられていると報じた。
ジャンキンスさんの出身地、ノースカロライナ州の親類の女性によると、家族は、再会のニュースをフォローしているが、目下、誰もジャカルタに行く予定はないという。
「40年経っている。われわれは、もう少し位待てる。再会によって、家族が、問題を解決し、そして日本で一緒に暮らせればと思う」と彼女は語る。
同紙によると、ジェンキンスさんの家族の友人、マイケル・クーキーさんは「家族にとって息子が、共産主義者に亡命することは、戦死することより、家族にとっては苦痛だった」と、かつて語った。
ジェンキンスさんの母親は、療養所にいるが、ベッドの傍らのテーブルには、ジェンキンスさんの制服姿の写真が置かれていると言う。
一方、参院選をめぐっては、支持率低下に苦しむ小泉首相が、11日の参院選投票を目前にして必死でキャンペーンを行ったと伝えた。またかつて80%あった支持率は、40%以下に落ちたと指摘、選挙の結果で、首相の政治力が低下する可能性があるとした。
小泉首相の人気低下については、自衛隊の多国籍軍参加問題や、年金問題での「人生いろいろ」発言などで、国民の反発を買ったと述べた。
同紙は、小泉首相の指導力低下は、ブッシュ政権にとっては、対イラク戦争で同盟国が再び、つまづく結果になり、困惑させるものだと指摘。また自衛隊の多国籍軍参加では、小泉首相は、ブッシュ大統領の“従僕”とも見られていると伝えた。
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