2004年10月02日11時31分掲載
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イチロー、ついに258本 シーズン最多安打新記録達成
【東京=ベリタ通信】米大リーグ・マリナーズのイチロー選手は米西部時間1日、初回の第一打席でワンバウンドで三塁手の頭上を越えるレフト前ヒットを放ち、1920年にジョージ・シスラーが作ったシーズン最多安打の257本に並んだ。さらに先頭打者として入った第二打席、センター前にゴロで抜ける258本目のヒットを放ち、ついに84年ぶりに新記録を達成した。
258本目のヒットを放ったイチローに対し、マリナーズの地元セーフコフィールドに集まった約4万3000人の観客はスタンディングオベーションで大喝采を送った。球場のセンター後方からは花火が上がった。
一塁上に立ったイチローにマリナーズの全選手がベンチから駆けよって祝福。イチローは今シーズン限りで引退するエドガー・マルティネスらチームメートと次々と抱きあった。
試合はしばし中断、イチローは一塁側最前列の席で観戦していたジョージ・シスラーの孫のフランシスさんらシスラーの関係者に近づき、フランシスさんらと握手、祝福の言葉を受けた。
シスラーの記録は毎年のように細かなルールや記録処理が変更されていた19世紀を経て、ようやく野球のルールが定着した時期のもので、事実上「大リーグ最古の記録」ともいわれる。シスラー以前は四球が記録上はヒットとされることもあった。
シスラーの時代は年間154試合制で、現在の162試合の方が多い。イチローのタイ記録、新記録達成は160試合目だった。
しかし、シスラーの時代は投手の球種がストレートとカーブしかなく、現在のように多彩な変化球を投げる投手はいなかったといわれる。さらに一試合を一投手が投げきる場合が多いなど打者には有利な条件が今よりも多かった。イチローを除けば、シスラーに続く年間安打記録のベスト10がいずれも1920−30年代に出された記録だ。
シスラーの孫たちと言葉をかわした後、再び一塁上に戻ったイチローは、ヘルメットを脱いで両手を広げ、スタンドの観客に晴れ晴れとした笑顔を見せた。米国ファンの拍手はその後もしばらく止まなかった。
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