2004年11月25日18時54分掲載
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世界銀行が東ティモールで談合した企業締め出し
【ペタリンジャヤ(マレーシア)25日=和田等】世界銀行(本部ワシントン)はこのほど、東ティモールでの事業で共謀して不正行為を行なったとして4社4人との事業取引を最大3年間禁止することを決めた。UPI通信によれば、世銀から締め出されたのは、アラフラ・プロジェクツと責任者のロブ・フォスター氏、CVウアイ・モリと責任者のジョルジェ・ド・カルモ氏、UDシナール・グヌン・ノナと同ブラム・チャイ氏、PTアマゾナスと同マニュエル・レオン氏。それぞれオーストラリア系、ポルトガル系、インドネシア(華人)系といった外国企業だ。
世界銀行によれば、上記4社4人は東ティモールの学校に関する事業で不正行為に関与した。物資供給の入札をめぐる選定の過程で、4社が談合したとの有力な証拠が出たことから締め出しとなった。
具体的には、学校用の机とイス1万5000組を購入するのが世銀の目的だったが、4社は談合したうえで机とイスの受け持ち分を分割、最低価格を提示した会社にそれぞれの担当分を割り振った後、入札価格が低く収まったようにみせることで契約を獲得しようとしたという。
世銀の調査により談合が確認されたことから、推定総額24万5000ドルの今回の契約はいったん破棄された。その後、世銀は机やイスを製造している東ティモールの地元大工を支援するため、国内業者を対象に机とイスの供給契約の入札を改めて実施している。
今回のケースでは「不正行為」があったことがはっきりしたが、これまでには国連や国際機関の発注した事業で甘い汁を吸った外国企業が相当あるとみられる。特に1999年9月の東ティモールの騒乱直後の時期に契約を獲得した企業の中には、「火事場泥棒」に近い行為を行なった社もあるとの指摘が国連関係者の間から出たほどだ。
東ティモールの復興ブームが去った現在、小さくなったパイをなりふり構わず手中に収めようと画策している外国企業の様子の一端がうかがえる。
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