2004年11月29日15時27分掲載
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パプアニューギニアでエイズ感染者が増加
【ペタリンジャヤ(マレーシア)28日=和田等】南太平洋のパプアニューギニアでエイズウイルス(HIV)の感染者が増えている。世界保健機関(WHO)の推定では、パプア・ニューギニア人の少なくとも100人に1人がHIVに感染している。人口約520万人の同国では、毎月少なくとも150人の新たな感染者が出、年率では20%増を記録しているが、その勢いが衰える兆候はみられないという。
WHOでは、すぐに決定的な抑止措置がとられず、この増加ぶりが続けば、今後10年から15年以内にHIV感染者の数は100万人に達するだろうと警告する。
AFP通信によれば、サハラ以南のアフリカ諸国と同様にパプアニューギニアでは、主に異性間の性交渉を通じてエイズが広がっているが、乱交文化やレイプの頻発、大きな市や街での売買春が増加していることがその拡大に拍車をかける要因となっている。
さらに同国では、それぞれ独自の言語を話す800近い民族が入り乱れて存在するという社会構造の複雑さなどから、有効なエイズ防止策を打ち出すのは至難の業というのが現実だ。
「パプアニューギニアには、国民とかコミュニティーといった認識がないので、防止プログラムを実施するのがより困難な状況にある」というのは、首都ポートモレスビーにあるWHO事務所のイブ・ルノー代表。
同国では、産出された石油や鉱物、農業資源から得られる富が、長年政治家のポケットに入ったり、自らの選挙基盤とする同族にバラまかれ、保健衛生や教育などに資金が回されないことも、問題を大きくしている。
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