2004年12月02日18時46分掲載
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イラク戦争めぐり疎遠になった米とカナダ ブッシュ大統領が公式訪問終える
【モントリオール1日=藤田順子】11月の再選後初めての外遊先に隣国カナダを選んだブッシュ大統領は1日、2日間の公式訪問を終えた。アメリカの大統領がカナダを訪問するのは約10年ぶり。
初日の首都オタワでは、ポール・マーティン首相と数時間会談し、国境の治安問題、狂牛病、針葉樹材木問題など、多くの議題を話し合った。マーティン首相との共同会見では、2国の親密な関係維持を強調するとともに、いくつかの議題で合意があったと語った。米政府高官によると、会談で来年1月のイラク議会選挙にカナダが監視要員を派遣する案が話し合われた。
2日目にブッシュ大統領は同首相とともに東海岸のハリファクスに移動。2002年の同時多発テロ事件の際にハリファクスが、立ち往生していたアメリカ旅客機の乗客たちに一時滞在の場所や食料を提供したことに感謝するためというのが公式理由だ。
両首脳の演説では、焦点となっているミサイル防衛計画で意見の食い違いが見られた。参加を渋っているカナダに署名させたいブッシュ大統領は、多国間協力を強調した。しかし、マーティン首相は具体的にはこの問題に触れず、演説後の会見で「(ミサイル防衛計画は)優先度の高い問題ではない」とかわした。
ブッシュ大統領は最後に、「アメリカとカナダは親しい友人である、(お互いを)好きか嫌いかは別として」と皮肉を述べてカナダを後にした。
イラク戦争開戦の是非をめぐり冷え込んでいたアメリカとカナダの関係は、容易には修復しそうにない状態だ。
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