2005年01月02日16時52分掲載
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タイの被災地でゾウが遺体収容作業を手助け がれきの山を押しのけながら活躍
【東京2日=ベリタ通信】インドネシア・スマトラ島沖大地震・津波で甚大な被害を受けたタイ南西部プーケット島などで今、がれきの下に埋まった犠牲者たちの収容作業にゾウが駆り出され、巨体を生かしながら活躍している。スカイニュース(電子版)が2日報じた。
それによると、2日現在、大津波に襲われたプーケット島とその周辺の海岸リゾート地では死者約4800人が確認されている。しかし、人手やブルドーザーなど大型機械の不足などから、遺体の収容作業はあまりはかどっていない。
そこで作業の“助っ人”として動員されたのが、木材運搬などに使われているゾウ。現在、24頭のゾウがプーケット島とその北に位置し、大量の死者が出たといわれるカオラック海岸地区に運ばれ、遺体収容作業を手伝っているという。
遺体の多くは、大津波がもたらした大量の砂や、破壊された家屋・ホテルなどのがれきの山の下に埋もれている。災害発生直後は、生存者やボランティアらが手で砂を掘り起こし、また、がれきの山を取り除きながら、何とか遺体を収容していた。
その後、4輪駆動のトラックや大型機械が導入されたものの、がれきに覆われた被災地を自由に動き回ることができず、作業は思うように進んでいない。
これに対しゾウ使いを乗せたゾウは大量の砂、がれきの山も問題なしに入り込め、巨体を生かして残がいを押しのけたり、鼻で横たわる柱など取り除き、遺体収容作業を容易にしてくれているという。
現地入りしている救助隊員たちも「ゾウのパワーはすごい。大型機械以上の働きをみせ、収容作業がはかどっている」と脱帽、その活躍ぶりをほめている。ゾウ使いも「ゾウは頭が良く、しかも力がある。収容作業を手助けできてうれしい」と話しているが、問題は、現地入りしているゾウ24頭に対し、ゾウ使いの人数が足りないこと。
タイは野生ゾウの生息地として知られ、大型機器が入り込めない山間部などで、切り出された木材の運搬作業などに使われている。最近では機器の改良や森林伐採の制限から、ゾウが活躍できる場が減っている。
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