2005年01月05日01時43分掲載  無料記事
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豪の医師・看護師ら3000人がボランティア志願 大地震・津波の被災者救援へ待機

 【東京5日=ベリタ通信】スマトラ島沖大地震・津波に襲われたインド洋沿岸諸国での救援活動がようやく本格化する中、今回の災害で依然、650人の安否不明者を出しているオーストラリアでは、「被災者たちの窮状を助けたい」とする医師、看護師ら約3000人の医療関係者たちが、同国保健省にボランティアを志願して登録し、いつでも出動できるよう待機している。同国の日刊紙サンデー・タイムズ(電子版)が5日伝えた。 
 
 それによると、オーストラリア政府は災害発生の直後に、国軍の医療班をインドネシア・アチェ州、タイ南部、それにモルディブに派遣した。現在、活動しているのは被災地などでの緊急医療に経験を持つ医師・看護師ら約50人とこれを補佐する医療班兵士ら計200人で、甚大な被害を受けた同州では55床を持つ“野戦”病院を設置し、連日、患者らの治療を行っている。 
 
 これに加えて、現在、海軍艦艇がアチェ州沖合いへ向かっており、今月14日には現地入りする予定。同艦艇には医療部隊兵300人と技術部門の兵士100人のほか、救援物資輸送用のヘリコプター計6機、大型の上陸用舟艇2隻、それに道路網復旧用の重機なども運んでいる。上陸用舟艇は道路が寸断され、陸路からの接近が困難な地区へ部隊、物資を運ぶために使われる。 
 
 こうした状況下、民間の医療関係者らのボランティア希望者が相次いでおり、保健省に登録している医師、看護師らは現在、3000人を超すという。同省当局者は、「これだけの人たちが登録してくれ、感謝している。技量や経験の有無、さらに被災地のニーズなどを考慮し、人選を進めたい」と話している。同省は毎日2回、6州2準州の医療部門責任者らと連絡を取り、派遣者のリストづくりを行っているという。 
 
 同当局者によると、これまでに派遣した医療関係者は整形外科や緊急医療の経験者たちだったが、現在、アチェ州などの被災地では衛生状態の悪化による伝染病の発生などが最も懸念されているため、今後は公衆衛生や伝性病の専門家らが求められるという。 
 
オーストラリア外務省によると、災害発生時、約5000人の同国人旅行客たちがタイ南部のプーケット島やカオラックなどで、休暇を楽しんでいたという。このうち5日までに死亡が確認されたのは16人で、依然、650人の安否が不明となっている。 


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