2005年01月05日18時58分掲載
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アチェに50万人収容の被災民キャンプ建設へ 国連、衛生状態の改善など目指す
【東京5日=ベリタ通信】スマトラ島沖大地震・津波の直撃を受けたインドネシアでは、震源地に最も近かったアチェ州を中心に約100万人の被災民が、今も劣悪な環境での生活を余儀なくされている。このため国連は5日、被災民の生活環境を改善、伝染病などの発生・まん延を早急に防ぐため、州都バンダアチェ内外の4カ所に国際水準を備えたキャンプを建設し、最大限で被災民50万人を収容する計画だと明らかにした。ジャカルタ発のAP通信(電子版)が伝えた。
計画を明らかにしたのは、アチェ州で国連救援活動を指揮しているマイケル・エルムクウィスト氏。それによると、インドネシア政府も同計画を承認しており、同国軍部隊などが現在、バンダアチェ内外の4カ所にある被災民集合地で整地作業を開始した。
インドネシア政府は同時に、不安を抱える被災民たちに対し、「家族との同居」「清潔な飲料水の提供」「トイレなどの衛生確保」などを説明、キャンプ建設への協力を要請している。
エルムクウィスト氏は、「現在の集合地は自宅などを失った被災民たちが急ごしらえしたキャンプ。このままでは今後、衛生面の悪化が最も心配され、極めて厳しい状況にある」と懸念するとともに、「国際基準を備えたキャンプを建設し、被災民たちの生活環境改善を図り、良好な衛生状態を確保したい」と強調している。
このため国連はインドネシア政府側の意向を確認し、被災民50万人分のテント、衛生面で問題のないトイレ、清潔な飲料水などを提供する計画で、建設されるキャンプには収容人数にばらつきが出ないように被災民たちを振り分けるという。
現在までのところインドネシア政府は、今回の災害で自宅などを失った被災民数を約32万人と発表しているが、国連や救援組織などによると、実際の被災民数は約100万人に上っているという。
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