2005年01月06日17時23分掲載
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津波被災者救済のため募金を呼び掛け スリランカ人ジャーナリスト
【東京6日=ベリタ通信】東京に住むスリランカ人ジャーナリストが、インド洋大津波で大きな被害を受けた母国の被災者を救済するために、募金を呼び掛けている。スマトラ沖地震の津波で、スリランカでは3万人の死者が出ていると伝えられている。インター・プレス・サービス(IPS)東京支局のスベンドリニ・カクチ記者によると、スリランカ南部の観光リゾートにおける被害のニュースは盛んに伝えられているが、内戦で荒廃した北部でも多くの犠牲者が出ている。
北部では、既に世界から衣類などの救援物資が地元の空港や港にあふれ。さしあたって必要な衣料や食料は、すべて地元で手に入るという。一番必要とされているのは、緊急用の医療物資を購入するための現金であるという。このため、カクチさんは、医薬品を手に入れるための基金を設立した。
北部の沿岸地域に住む住民は津波によって生活のすべてを失ってしまい、危機に瀕している。医療品、浄水用の錠剤などが緊急に必要とされている。
スリランカの非営利組織TECHの責任者アラギア・ナウアラトラジャ医師からの連絡によると、津波によって村全体が流されてしまったり、一家全員が流されてしまうなど、身元の分からない遺体が多数ある。
避難所にいる生存者は、肉体的にも精神的にも疲れきっている。生存者の多くは家族を何人も失っており、その体験を話すことができる人もいれば、言葉を発することさえできない人もいる。また生存者の多くはけがをしている。
被災した地域の井戸の多くは汚染されており、避難所では伝染病の発生の恐れがある。被災したムライティブ病院に入院している患者80人のうち3人が死亡したが、原因は病院にある抗生物質では効かない伝染病であることが分かった。
TECHは、内戦で傷ついたスリランカ北部・東部の人々を救済するために1978年に設立された組織。TECHは国際組織からの支持を受け、同医師は日本政府の相談役を務めており、京都の龍谷大学で教えるなど、日本とスリランカの間を頻繁に往来している。
カクチさんは今月20日にはスリランカを訪問、ナウアラトラジャ医師に直接、寄付金を手渡すという。IPSは第三世界の視点から、環境や開発、人権問題などに焦点を当てて報道している国際通信社。
募金の振込先
三井住友銀行 学芸大学駅前支店
普通預金 口座番号6685596
口座名 「スリランカ支援 代表 カクチ スベンドリニ」
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