2005年01月11日16時10分掲載
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ベトナムがキリスト教少数民族を迫害 HRWが非難
【東京11日=鳥居英晴】人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW=本部・ニューヨーク)は10日、ベトナムが中部高原のプロテスタントのキリスト教少数民族を大量に逮捕、迫害、拷問にかけていると非難した。これらの少数民族は、ベトナム戦争中、米軍の特殊部隊と共に戦った。ベトナム当局は、宗教に名を借りて、独立をはかっていると非難している。
HRWはまた、カンボジアが1日、迫害を逃れて同少数民族が流入するのを防ぐために北東部のベトナムとの国境警備を閉鎖したことを非難した。
2001年2月、宗教の自由と先祖の土地の返還を求め少数民族数千人がデモをした。ベトナム政府は軍隊を投入して鎮圧、1000人以上の少数民族はカンボジアに逃れた。
2002年1月、カンボジア、ベトナム、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)間で少数民族の帰還について合意した。
HRWによると、昨年4月には、数千人少数民族が再び抗議のデモをし、当局の弾圧を受け、多数がカンボジアへ脱出した。
昨年12月、ベトナム政府高官は中部高原を訪問、宗教の自由の尊重を約束、地元の当局者に平和なクリスマスになるよう促したという。しかし、警察はクリスマスまでの数週間に、キリスト教徒を逮捕、中部高原5省の一つであるジアライ省だけでも、12月12日から24日にかけて、129人が逮捕された。
逮捕された者の多くは、教会指導者で、クリスマスの集会を組織していた。拘束された者の中には、カンボジアへ脱出した男の妻や子供も含まれていた。
HRWによると、ベトナム当局はカンボジアからの帰還者を監視対象に置いたり、帰国後直ちに、自宅軟禁にしているという。
ベトナム通信によると、ベトナム外務省スポークスマンは10日、HRWの報道を否定、少数民族の逮捕はないと言明した。
これらの少数民族の動きは日本のマスコミではほとんど報じられていない。英文メディアではMontagnard Christiansと表記されている。Montagnardという言葉は「山地住民」を意味するフランス語。19世紀後半にフランス人によって命名された。人口は100万人で、うちの22万から40万人がプロテスタントの信徒だとみられている。
中部高原の山岳少数民族は、ベトナム戦争で米軍の特殊部隊と共に戦った。ゲリラ組織は1990年代まで生き残った。19990年代の初め、多くのMontagnardsは「デガ・プロテスタント教会」に改宗した。
ベトナム当局は、「デガ・プロテスタント教会」は単なる宗教組織ではなく、宗教にかたちをかりた政治組織であり、独立運動を企てているとしている。
参考サイト
http://www3.osk.3web.ne.jp/~vietnam/imai11.htm
http://www.viet-jo.or.tv/shakai/0404/shakai20040414_01.html
http://www.viet-jo.or.tv/shakai/0404/shakai20040415_01.html
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