2005年03月01日01時54分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200503010154102
拷問に加担したイラク人通訳の実態
27日付のイラク共産党カーデル派が運営するカーデル・ネットによると、イラク人元通訳ハサン・アリー・ハファージー氏が、駐留米軍下での拘束者に対する拷問の実態を証言した。拷問の時期には触れていない。(ベリタ通信=抄訳・齊藤力二朗)
私は他の数千人の海外在住・亡命イラク人と同じように、「米国はイラクを圧制者と独裁者が蔓延る中東砂漠を民主主義のオアシスにする」という米国の宣伝にのり、占領を支持した一人であったことを認める。そこで通訳として米軍に入り、イラクに配属された。以前は独裁者がいない祖国に帰国する日を夢見たものだ。しかしそこで見たものは血の気もよだつものだった。そのため占領軍の仕事を辞めて、現在は良心に従い正気を取り戻した。
占領軍は、その協力者たちをイラクでの戦慄すべき犯罪行為の共犯者にした。私が配属されたイラク南部のウムカスル刑務所のあるキャンプには数千人のイラク人が収容されていた。その1割以上は女性だ。通訳としての我々がしたことは、通訳とそのほとんどが無実であった受刑者の尋問だ。
腰掛けた米国人の取調官が、王侯貴族のように命令し、我々が通訳し、拷問にも加わった。我々が受刑者に同情的で拷問の手を緩めていると感じると、米国人取調官は、怒り出し我々を睨み付け震え上がらせた。
我々は、通常通訳室に閉じ込められ、米国人とは一緒に食事は出来ない。米国人は我々を虫けらのように扱った。
同僚通訳のある男性は、情け容赦なく拷問を加えることに舌なめずりする男だった。彼が私たちに語ったところによると、クート出身のイラク人男性受刑者を吐かせるために拷問するよう取調官から要請された。そこで米国人たちが受刑者の妻を連行してきた。
彼女を殴りつけ衣服をズタズタに引き裂き、電気ショックを与えた。夫の受刑者は、「お望み通りの自白をするから、妻を解放してくれ」と叫んだ。
この通訳は、異常な男で、「こうして無実の人間を抵抗勢力の一員だと自白させた」と笑って自慢した。「無実なのになぜ自白を強要したのだ」と尋ねたら、「奴はバース党員でアラブ主義者だからだ」と答えた。私は「彼らは部族の男たちでお前のことを決して忘れないぞ」言ってやった。
抵抗勢力は民衆の隅々まで浸透しているので、彼は家族の暮らすオスロに戻った。抵抗勢力は拷問に加わった通訳を殺し首を刎ねることを知っているので、このように大方の通訳は元の居住地に戻って行った。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。