2005年03月10日12時56分掲載
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日中の知識人らが尖閣諸島・首相の靖国参拝を討論 日本の月刊誌上で
【台北10日=ベリタ通信】尖閣諸島の領有権を主張する中国の民間団体の会長が、月刊誌「文芸春秋」誌上で、同諸島(中国では釣魚台)の領有権や小泉純一郎首相の靖国神社参拝などをめぐって、今月にも討論することになった。会長の童増氏と誌上討論するのはジャーナリストの桜井よしこさんと日本大学の秦郁彦教授。童氏は「日本の右翼を教育する絶好の機会だ。石原慎太郎都知事の参加も期待している」と話している。香港の英語紙・サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)などが報じた。
童氏は1956年に中国重慶市で生まれた。国内で名前が知られるようになったのは、1991年に「中国は一刻も早く日本に賠償請求を」というタイトルの論文を発表したためだ。童氏は論文で、「中国政府は日中戦争の賠償は放棄したが、民間賠償は請求できる」と主張し、一般国民の間にあった不満を表面化させるために一役買ったとも言える。
中国民間保釣連合会の会長である童氏は、過去に弁護士としても来日経験がある。
童氏によると、今年の1月上旬に文芸春秋から「日中の非政府間の話し合いが大衆の意見の反映になる」との趣旨で、誌上討論への参加要請があったという。2月末に行われる予定だったが、ビザ発給の問題などで延期されたという。
討論には中国側から童氏のほか、北京大学の教授ともう1人が加わる。日本側からは桜井さんと秦教授が参加するが、SCMPは桜井さんを「台湾独立を支持している」、秦教授は「南京大虐殺があったことを否定している」と、それぞれ紹介している。また人民日報の日本語版サイトは「民間人が日本に赴いて右翼と対談」との見出しで報じた。
童氏は「日本の右翼を教育する絶好の機会だ。我々の後ろには13億人の中国人がいる」と自信を見せ、「石原慎太郎都知事の参加も期待している」とも語っている。
一方、SCMPによれば、童氏らの討論参加をめぐっては、中国のインターネットのチャットルームなどですでに話題になっているという。
「討論がお互いをののしりあうことにならないように望む。日中双方はこの機会を敵対心を和らげ、相互の理解を促進するために利用するべき。議論の勝ち負けは問題ではなく、日本人に過去を認識させろ」という声がある一方、「日中両国でナショナリズムをあおることになるのでは」と、誌上討論は有益ではないという意見もある。
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