2005年04月08日02時06分掲載
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アナタハン島が大噴火 サイパン島など昼間も闇に
【東京7日=稲元洋】北マリアナ諸島のアナタハン島にある火山が5日から大噴火を始め、上空約1万5000メートルまで火山灰を吹き上げている。サイパン島など同諸島の島々では一時、昼間も夜のような暗さに包まれた。アナタハン島は旧日本領で、終戦を信じない日本人男性32人が島に残留し、1人の女性を奪い合った「アナタハン事件」で知られる島。
7日のグアム島の英字紙パシフィック・デイリー・ニュースによると、アナタハン島が噴火を始めたのは5日午前2時半ごろ。同紙の取材に対し、サイパン島の対策本部は6日「朝なのに真夜中のように暗く、非常に不気味だ」と話している。表に出ると火山灰が目に入り、「目を開けていられない」状況だったという。
ただ、大規模噴火は今のところ一回だけで、巨大な噴煙は風に流されて移動、サイパン島などの視界は次第に回復してきているもようだ。
アナタハン島はサイパン島の北方約120キロにある。2003年5月に大噴火した後、今年初めから再び火山活動が活発化していた。
南洋庁に属していた旧日本領で、第2次大戦が終わった後も、終戦を信じずに男性32人と女性1人が1950年まで島に残留。たった一人の女性をめぐって男たちが互いに殺し合い、男性11人が死亡した「アナタハン事件」の名で知られている。
殺し合いに疲れた男たちは、すべての原因は沖縄出身の一人の女性にあるとし、女性を「処刑」することを決めたが、寸前に女性は米軍に救出された。
一行が全員帰国後、事件が報じられると日本では空前の「アナタハンブーム」となり、救出された数奇な運命の女性をヒロインとした演劇や映画が人気を博した。
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