2005年04月21日13時18分掲載  無料記事
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領空通過機にも搭乗名簿提出を要求 米の安全対策エスカレート

 【東京21日=広井孝明】21日のワシントン・ポストは、米政府は米国上空を通過するすべての外国航空会社の旅客機に対し、安全上の目的から搭乗者名簿の提出を求める方針だと報じた。過敏な方向にエスカレートする一方の米国の安全対策に対し、メキシコの航空会社などは、「国際的な領空通過の取り決めに反する」と反発している。この方針が実施されれば、米政府は個人の航空機利用に関する膨大な情報を得ることにもなる。 
 
 ワシントン・ポストによると、米政府が作成した危険人物リストには「飛行禁止者」を「要注意者」の二種類があり、この方針が全面的に実施された場合、飛行禁止者を乗せた旅客機は米国の空港から離陸できない。飛行中であっても米国内には着陸できず、米領空からただちに退去しなければならない。 
 
 要注意者の場合、離陸前に判明した時は厳重なセキュリティチェックが行われるという。 
 
 実際、今月、オランダのアムステルダムを離陸、メキシコ市に向かっていたKMLオランダ航空の旅客機に飛行禁止者のサウジアラビア人が乗っていたとして、米当局は米国上空通過を認めず、旅客機はロンドンに緊急着陸している。 
 
 ワシントン・ポストによると、この方針に対し、欧州線のほとんどが米領空を通過するメキシコのアエロメキシコ航空は、「国際的に許されている領空通過の取り決めに違反する」と反発、メキシコ政府当局に対し、米国側に抗議するよう求めているという。 
 
 米誌タイムは、米当局が搭乗禁止リストに載せている人の数は、約3万1000人に上っていると報じている。 


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