2005年05月04日18時26分掲載  無料記事
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5・4運動記念日、北京は平静 天安門広場は一般入場禁止

 【北京4日=樋出雄二】1919年に起こった反日愛国運動「五四運動」の記念日にあたる4日、北京では反日デモを防ぐため、天安門広場への一般の入場を禁じ、祝日のイベントが行われている。会場周辺から見る限り式典や挨拶などは行われておらず、青い体操服の中高生が縄跳びなどに興じていた。愛国ネットなどは天安門広場に集まるよう呼びかけていた。 
 
 ネットの呼びかけに呼応して天津から来たという大学生は「北京の大学ではデモに参加した場合、処分されるという通達が出ている。会場がこれでは拍子ぬけです」と言って、天安門広場を見つめていた。 
 
 北京では大規模な反日運動が暴徒化した4月9日以降、日本料理店や日本人が多く住む朝陽区などのマンションや日本企業の公告版などに落書きや張り紙、いたずら電話などの行為が数多く行われていたが、23日にジャカルタで行われた小泉純一郎首相と胡錦濤国家主席の会談を境に一気に沈静化し、日本をやり玉にあげた報道や張り紙などは影を潜めるようになった。 
 
 北京で生活している日本企業の駐在員、留学生の間では5月4日さえ無事乗り越えてくれればという期待があり、この日に反日運動がなかったことで胸をなでおろす人も少なくない。 
 
 日本企業の駐在で4ヶ月滞在している前村勉さんは「タクシーに乗っても必ず、運転手がどこの国の人間だと聞いてくる。その度にドキッとする。事務所では韓国人だと言えという指示もでていましたから。結局なるべく外出は控えました」と語った。「今日何もなかったので、買い物や外食にも出かけられます」と笑顔を見せていた。 


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