2005年05月13日19時26分掲載
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米軍、シリア国境付近で100人以上を殺害 「反乱は数年続く」とマイヤーズ参謀議長
【東京13日=河合敦】バグダッド発のAP通信は13日、イラク西部のシリア国境沿いにおける米軍の武装勢力掃討作戦はなお続いており、米軍は少なくとも100人以上の武装勢力を殺害、壊滅状態となった町もあると報じた。武装勢力側も自爆攻撃、爆弾、機関銃などで激しく抵抗しているもようだ。相当数の民間人も死亡しているとみられる。一方、マイヤーズ米統合参謀本部議長は12日、イラクにおける反米武装勢力の抵抗について「数年は続くだろう」と述べた。
米軍の掃討作戦の中心となっているのはイラク西部カイム周辺で、民間軍事会社の日本人警備員、斎藤昭彦さんが拘束されたとみられるヒートから北西約150キロの場所。掃討作戦は9日から始まっており、昨年11月のファルージャ総攻撃以来の大規模作戦となっている。米軍の最大の目的は武装勢力の指導者とされるザルカウィ師の殺害または拘束だ。
AP通信は、カイムで住民の男性が「米軍はわれわれの町を破壊し、子どもを殺し、家を破壊した」と嘆く声を伝えている。
米軍はカイム周辺を激しく空爆しており、AP通信の電話取材に答えた住民の声の背後には複数の爆発音が聞こえたという。町ではあちこちから黒煙が上がっており、住民はトラックの荷台などに乗って逃げ出しているもようだ。
米軍側はこの攻撃で米海兵隊兵士少なくとも5人が死亡、武装勢力側少なくとも100人を殺害したことを確認した。AP通信の集計によると、米軍のイラク戦争開戦以来の総死者数は12日までに1611人に上った。
バグダッドでも12日、車爆弾が爆発、少なくとも21人が死亡した。この現場では米軍に抗議する群集が米兵に向かって石を投げるなどして抵抗、群集をけ散らすために米軍ヘリが群集に向けて発砲したという。
一方、マイヤーズ統合参謀本部議長は米国での12日の記者会見でイラク情勢について「忍耐が必要だ。武装勢力の反乱は3、4年から9年ほどの間は続くと思っている」と述べている。
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