2005年05月14日21時20分掲載
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ウズベク暴動、死者200人の情報も 中央アジアにも反米のうねり
【東京14日=河合敦】中央アジアのウズベキスタンにも反米イスラム教原理主義のうねりが広がっている。AP通信によると、イスラム教指導者の解放を求め、東部アンディジャンの刑務所を襲撃、州庁舎などを占拠した約2000人の群集に対し、ウズベキスタンの治安部隊は13日夜、州庁舎に突入した。突入の際の発砲で数10人が死亡、数100人が負傷したとみられる。人権団体によると、死者は200人に達しているとの情報もあるという。
AP通信が目撃者の話として伝えたところによると、州庁舎を鎮圧した治安部隊が数10人分の遺体をトラックに乗せて運び去った。AP通信は死者23人を確認したとしている。
この事件をめぐり、ウズベクでは3500人以上の住民が隣国キルギスなどに避難したもようで、国境地帯では混乱が続いている。
ウズベキスタンのカリモフ政権は親米派政権で、イスラム原理主義運動を厳しく規制、教過激派と認定した著名実業家などの身柄を拘束。今回の暴動はこの実業家などの解放を求める形で広がった。カリモフ政権は拘束した反政府運動指導者などに対し、拷問などを行っていると欧米の人権団体などから非難されていた。カリモフ政権は、国内における厳しい言論統制も敷いている。
ウズベキスタンでは、アフガニスタンの旧タリバン政権と関係の深く、イスラム国家樹立を目指す「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)が1996年に結成された。米国はIMU「国際テロ組織」に指定している。
ウズベキスタンは2001年の米軍などによるアフガニスタン攻撃の際、米軍に基地を提供。これを機に反米、イスラム原理主義を掲げる組織の活動は活発化しており、昨年には国内での爆弾テロ事件などが相次いでいた。
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