2005年05月24日00時25分掲載
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「ピアノマンは詐欺師じゃない」と病院関係者
ロンドン発22日のAFP通信は、4月7日に英国の海辺でずぶぬれ姿で発見された「ピアノマン」について、世間を意図的にあざむいている「詐欺師」の可能性を病院関係者が否定したと報じた。日を追って、記憶喪失など深い心の病に落ちた「実在の悲劇」である可能性が高まっている。
AFP通信によると、男性が入院している病院関係者は「彼は本当に心の病の状態にあるとみられる」と語った。現在も男性は真っすぐ歩くこともできず、病室に入る時も、壁に背をぴたりとくっつけながらぐるぐると壁づたいに回るように歩き、部屋の中に二人以上の人間がいると、身体を硬直させてしまうという。
ピアノマンは記憶喪失にかかっているとみられ、依然、一言も言葉を発していない。
しかし、演奏用とみられるグランドピアノの絵を描いたことから、病院スタッフがアップライトピアノの前に座らせたところ、チャイコフスキーなどすぐれたクラシック音楽を演奏。病院が情報提供を求めて写真を公開したことから、全世界のメディアが取り上げるところとなった。
これまでにフランスの大道芸人説、ポーランド人説など彼をめぐって1000件以上の情報が病院などに寄せられているが、本人の身元につながる決定的な情報はない。
このため「売れないピアニストが有名になろうとたくらんだ自作自演」「似たようなストーリーの映画配給会社が仕組んだ宣伝芝居」などさまざまな噂がささやかれてきた。
現在もなお「とんでん返しがいずれ訪れる」とその悲劇性に疑いを示し続けている英メデイァもある。
(ベリタ通信)
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