2005年06月12日11時52分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200506121152080
日本人留学生増をめざす南オーストラリア州
【アデレード12日=木村哲郎】南オーストラリア州のポール・ホロウェー産業貿易相はこのほど東京を訪問し、同州の大学や政府機関で構成されている「エドゥケーション・アデレード」主催の昼食会で日本人留学生の増加に力を入れるべきだと訴えた。同州は、教育を観光業とならび外貨収入の見込める一大産業と位置づけている。
ホロウェー大臣は南オーストラリア州と日本の間に教育の輪が広まっている点を評価しながらも「オーストラリアにいる日本人留学生のうち南オーストラリア州を選ぶ学生は約6%に過ぎない」と現状を語った。大臣によると、現在同州に在籍する日本人留学生数は大学(院を含む)で200人、高校で130人。その他に英語学校の生徒が推定200人近くとされているが、同州に在籍する1万5千人の留学生総数に対する比率は極めて少ない。
留学生増加率が全国平均の2倍に達している同州では、インドと中国からの学生数が増えており、インドからの留学生数は12カ月前と比べて91%増、中国からの留学生数も47%増となっている。これは「オーストラリアで一番の学習環境都市」を謳っている「エドゥケーション・アデレード」の成果とされ、今回のホロウェー大臣の訪日は、それを日本へ広めることが狙いだ。
ただ英語圏以外の留学生が大学などに入学する際に英語能力試験が必要。外貨収入のために合格基準が低いにこしたことはないのだが、現場からは教育水準を保つために、入学基準の引き上げを求められている。シドニー・モーニング・ヘラルド紙の調査によると、留学生の落第率はオーストラリア人の落第率よりも5%から20%高くなっている。また日本人を含めアジアからの留学生に足りないものは基礎学力で、教育に不可欠な「考える力」の不足も指摘されている。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。