2005年07月07日12時45分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200507071245334
ベッカム、マンデラ両氏も誘致で貢献 ロンドン2012年五輪当選の背景
【ロンドン6日=小林恭子】6日、ライバルだったパリ、マドリード、ニューヨーク、モスクワを押しのけ、ロンドンが2012年の夏季オリンピック開催都市に選ばれた。劣勢と見られていたロンドンが勝ったのは何故か? BBCオンラインの分析によると、まず、1980年代に1500メートル競走で2度ゴールドメダルを獲得したセバスチャン・コー氏がロンドンへの誘致を目指したロンドン2012実行委員会の委員長になって骨を折ったことや、広告塔として「ベッカム様」やマンデラ元南ア大統領を使ったことなどが功を奏したようだ。
コー氏は、誘致で問題になるのは、遅延や故障が多いロンドンの交通システムにあると気づき、この点をいかに克服するかに作戦の焦点をあわせた。また、英国内や海外を頻繁に訪れてロンドン誘致をPRした。
シンガポールでの投票前の最終アピールの場では、若者に焦点をあてたスピーチを行うことにし、自分のこれまでの選手経験から、オリンピックに対する情熱を熱く語り、会場を魅了した。
第2の理由は、オリンピックの開催をロンドンの都市再開発と結びつけた点だ。ロンドンのイーストエンド地区ストラットフォードにオリンピック公園の建設を計画し、オリンピックの開催により社会的にも経済的にもロンドン市が変貌する夢を描いた。
広告宣伝効果のうまさも理由の1つだ。人気サッカー選手のデビッド・ベッカムや南アフリカ共和国の元大統領ネルソン・マンデラ氏をロンドン誘致のための大使としたのがその例だ。
最後に、政治のバックアップも強力だった。6日夕方からスコットランドでG8サミットの開催が控えているにも関わらず、ブレア英首相は投票が行われるシンガポールに姿を見せ、ロンドンをプッシュした。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。