2005年08月07日01時09分掲載  無料記事
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マレーシアが石油輸入国に転じる可能性も 需要増で埋蔵量が年々減少

【クアラルンプール6日=和田等】石油輸出国マレーシアは、最近の原油高騰で、石油会社の収益が好転しているが、将来のエネルギー事情をめぐっては、不安要因も浮上している。現在石油の純輸出国である同国が5年後には石油の純輸入国に転じるとの予測が出ているからだ。長年、石油輸出国として知られてきた隣国インドネシアがさきに石油輸入国に転じたのと同じ道をたどることになる可能性がある。 
 
 地元英字紙ニュー・ストレーツ・タイムズによると、ナジブ副首相はさきごろ、「マレーシアの石油埋蔵量は年々減少している。新たな油田を発見しない限り、2009年までには石油輸入国に転じるだろう」と述べ、「マレーシアは今後、石油部門に依拠できなくなるだろう」と語った。 
 
 なお、マレーシアの現在の石油埋蔵量は36億バレルで、昨年、1日平均76万2000バレルの石油を産出した。このほか、海外の油田に保有する石油の権益が20億バレル相当あり、海外で産出されるマレーシアの権益分も含めると、昨年の1日当たりの石油産出量は100万バレル近かった。 
 
 一方、エネルギー当局筋は「マレーシアの石油資源は19年間、天然ガス資源は33年間に相当する埋蔵量がある」と述べているが、今後数年間の国内需要の急速な高まりによって、予測より早くマレーシアが石油輸入国に転じる可能性がある。 
 
 ちなみに、マレーシアにおける石油消費量は1982年時の1日当たり18万5000バレルから昨年末時の50万4000バレルへと、22年間に2.7倍増えた。経済成長に伴う自動車台数や発電量の安定的増加が石油消費量増の主因だ。 
 
 こうした予測を受け、ペトロナスはエジプトやスーダン、チャドといったアフリカ北部、カスピ海(トルクメニスタン)といった遠方の油田での石油開発への投資に乗り出した。 
 
 さらに世界的なパーム・オイル(椰子油)の産地であるマレーシアでは、パーム・オイルを自動車のバイオ燃料として商用化するための研究を積極的に進めたり、天然ガス燃料車への転換を促進するなど、ガソリンの使用を減らしていく努力を行なっている。 


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