2005年08月08日09時35分掲載
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米国で人気集めるノート型パソコン 自分の分身とみなす人も
米国でノートブック型のコンピューターが、急速に人気を集めている。手軽で、持ち運びが簡単、しかもデスクトップより割安というのが受けた要因だ。人によっては自分の分身、あるいは子どものような感覚で、ノート型を大切に扱う若者も多い。米国市場では、ことし第二四半期(4−6月)のノート型パソコンの売り上げ台数が、初めてデスクトップ型を抜き話題を呼んだ。その半面、従来の大手パソコン・メーカーに対抗する、新興メーカーのノート型も人気を集めるなど、今後、ノート型の販売をめぐり競争が激化しそうだ。(ベリタ通信=エレナ吉村)
米市場調査会社「カレント・アナリシス」のまとめによると、第二四半期のラップトップ型の販売台数の割合は51・9%に達し、デスクトップ型のそれを初めて抜いた。デスク型は48・1%に急落した。
米紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューンによると、これまでデスクトップ型は、ノート型に比べ低価格で、性能も優れているというのが定説だった。しかし、この差が、急速に縮まっている。「カレント・アナリシス」サンディエゴ事務所の上級アナリスト、サム・バフナニ氏は「両者のギャップが狭まっている。1年前、ノート型の平均価格は、1400ドル(約15万円)だったが、現在は1100ドル程度。ノート型の中には、3割近く価格が落ちているものもあるが、デスク型はわずか4%しか下がっていない」
ノート型の性能に関しても、情報処理速度が速まり、記憶容量も大きくなっている。デスク型と比べても、ほとんど遜色のない状態になっている。人によっては、デジタル・メモリーを携帯して、写真処理をしたり、またチャットや音楽のダウンロードなど、様々なことができるようになっている。
米カリフォルニア州サンディエゴのコーヒー・バーで、WiFi(ワイファイ、無線LAN)を利用して、ノート型をたたいていたナオミ・スチュアートさんは「どこにでも簡単に持っていける。形が大きなポイント。自宅にデスクトップも持っているけど、あまり使わないわ」
米マイクロソフト社でテクノロジーと生活の融和を研究しているアン・キラさんによると、ノート型に人気が集まっているのは、人が、混沌とした世界の中で、自分だけの聖域である場所を求めているためという。キラさんは、ノート型を自分の赤ん坊とみなす人もいると指摘し、ノート型に対するこうした人々の愛着心は、デスクトップ型にはみられないと分析している。
欧州の諸都市でも、会社員がベンチなどでオフィスに向かう前に、パソコンを使って一仕事をする光景がよくみられるようになっている。ノート型の人気で、仕事のあり方も、今後大きな変化を遂げる可能性もある。
一方、市場関係者は、ノート型が今後、引き続き、販売シェアを拡大すると予想、売り上げ台数の割合は、最終的に75%に達すると見込んでいる。これまで米国のノート型市場では、ヒューレット・パッカード(HP)、コンパック、東芝、ソニーの4社が、圧倒的な強さを誇っていたが、ゲートウェーなどの新興組も人気を集めるようになり、今後販売商戦が激しさを迎えそうだ。
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