2005年08月11日12時26分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200508111226384

ムサンナ州知事が解任決議を拒否 暴動拡大の恐れも

 【東京11日=齊藤力二朗】10日付のイラクのニュース・サイト、イラーキ・リーグによると、サマーワを州都とするムサンナ州のムハンマド・ハッサーニ州知事が同日、州評議会議員全員による解任決議を拒否した。このため事態は複雑な局面を迎えているほか、サマーワの暴動が南部諸州に拡大する兆候がみられる。 
 
 それによると、イラク内務省州務担当の使節団がこの日、ハッサーニ州知事を正式に更迭するために派遣された。これに対し同知事は州評議会による解任決議を完全に無視した上、辞任の受け入れも拒否し、州評議会と使節団を驚かせた。 
 
 ハッサーニ知事は、バグダッドからの正式な解任決議が届くまでは知事職に留まると主張し、バグダッドの最高宗教権威(の指令)以外には、州評議会の決議や、市民および地域の名士の要望には関心がないとした。同知事はシーア派最大政党のイスラム革命最高評議会傘下の民兵組織、バドル旅団の元連隊長。 
 
 一方、ムサンナ州のムハンマド・ザイヤーディ州評議会議長はこのほど、評議会の機能がはく奪されたため、辞表を提出した。これに続き今後、多くの評議会議員が辞職すると予想される。 
 
 同州内ではパトカーが、「夜9時から翌朝6時まで外出禁止だ」と拡声器で叫んでいる。住民は今後しばらくの間、特に(合同礼拝日の)金曜日に、何か起きると懸念している。 
 
 10日付のイラーキ・リーグは「サマーワの騒動が拡大か」と題して、ディーワーニーヤの州知事が権利を求めるデモ隊に向かって発砲すると警告、また 夜間外出禁止令を発令、デモ隊との衝突を恐れ州庁舎から逃げ出したと報じた。 
 
 さらに10日付のクドゥス・プレスによると、衛星テレビ、アッシャルキーヤは同日、イラク国会議員、バハー・アーラジー氏がサマーワの暴動でバドル旅団がデモ隊に発砲したと非難した。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。