2005年08月13日01時00分掲載  無料記事
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ブログの書き込み次第で解雇も 会社側は情報漏洩を警戒

 インターネット上の簡易ホームページとも公開日記とも呼ばれるブログ。個人の考えや様々な情報などが書き込まれ、米国でも人気を集めている。しかし、会社側は、社員がブログで企業情報などを漏らすことを警戒しており、ブロッガーに対し、どのようなことでも書き込めるわけではないと警告している。事実、自動車ユーザーに会員制のサービスをしている「AAA/南カリフォルニア支部」では、ブログに同僚の陰口を書き込んでいた社員が解雇されるケースも起きている。(ベリタ通信=エレナ吉村) 
 
 ブログは、ネット上で自分の一日の行動を記録したり、あるいは自分の思いのたけをぶつけたり、さらにはネット上の読者と情報の交換などにも使われる。自由に何でも書き込めるのが、ブログが人気を集めている要因の一つだ。 
 
 しかし、ブロッガーが大小に関わらず、組織に属していると、必ずしも自由ではなく、むしろ制約を受けると考えるべきだとの意見もある。 
 
 米紙シカゴ・トリビューンによると、シカゴのマイケル・カーペレス弁護士(労働法)は、ブロッガーは、勤務中はもちろん、勤務を離れ自分のパソコンに情報を入力している場合でも、会社内の情報を漏らすのは、禁物だと話している。 
 
 「会社員は、ブログに会社のことを匿名や、勤務外に書けば、会社から懲戒や、解職を受けないと考えたりしてはいけない」 
 
 情報化時代を迎えているが、個人情報の流出に各企業とも神経を遣っている。会社側は、社員が、顧客の情報や部外秘の企業情報をブログなどに書き込んで流出させるのを警戒している。 
 
 カーペレス弁護士は、会社側の弁護士を勤めており、経営者側の視点で話しているが、社員に対し、会社側のブログに関する方針について相談していた方がいいと忠告している。 
 
 米カリフォルニア州サンディエゴの地元テレビによると、「AAA/南カリフォルニア支部」のラメサ事務所では、オンラインの人気ブログに書き込みをしていた社員27人が解雇された。AAAは日本のJAF(日本自動車連盟)に似た組織で、自動車ユーザーに道路マップ、旅行切符、ホテル予約などのサービスなどを行なっている。 
 
 解雇の理由は、社員が、ブログに同僚のことについて自宅から悪口の書き込みをしていたのが原因。ブログを見た女性社員が、会社側に対し、嫌がらせの書き込みがあったと訴えたため、会社側が調査に乗り出した。 
 
 AAAスポークスマンのジェフリー・スプリング氏は「これが、言論の自由に関連した問題だとは思わない。これはハラスメント(嫌がらせ)に関する問題である。従業員が、会社側に苦情を申し立てた結果、われわれは行動を起こす必要を感じた」と述べ、解雇を正当化している。 
 
 解雇された社員は、自宅からブログに参加していたが、勤務を離れた時間に書き込みをしようが、内容次第では、会社側は、それなりの処置を取る考えのようだ。ブログは、好き勝手なことが自由に書けるのが魅力なだけに、今後表現の仕方をめぐり、まごつく人が出る可能性もある。 


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