2005年08月14日03時57分掲載  無料記事
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マレーシアがバイオ燃料促進策公表 需要増を見越す

【クアラルンプール13日=和田等】国家バイオ燃料政策の策定を進めているマレーシアのアブドラ首相がこのほど、同政策に基づいて実施される中長期的な政府計画案と促進策を公表した。化石燃料への依存度を減らし、代替燃料としてバイオ燃料の利用促進を目指している。 
 
 英字紙ニュー・ストレーツ・タイムズによれば、計画案と促進策には、バイオ燃料や商用バイオ燃料の精製所の設立、バイオ燃料へのパーム油の使用、バイオ燃料生産者への優遇措置の付与などが含まれている。 
 
 首相はまた、3本柱からなる長期的な計画を明らかした。(1)交通・産業向けのバイオ燃料を生産し活用する(2)欧州諸国輸出用のバイオ燃料を生産する(3)地元育成技術としてバイオ燃料技術の商用化を促進する――だ。 
 
 バイオ燃料とは、植物性物質を利用して作られる自動車燃料のことである。ディーゼルエンジンには、パーム油もしくはなたね油、ひまわり油、大豆油、ココナッツ油などの植物油を利用した燃料を使う。 
 
 昨年のバイオ燃料に対する世界的な需要は250万トンだったが、その需要は年率25%の割合で増加していくと予測されている。バイオ燃料の主な使用国は、欧州連合(EU)各国や米国、韓国、日本である。 
 
 アブドラ首相がバイオ燃料に関する政府計画を公表したことに関してマレーシア・パーム油協会のサブリ・アーマド会長は、「化石燃料への依存度を減らすことで、結果的により健全な環境を作り出すことに役立つ」評価。経済や環境にプラスに働くことになるとの見通しを示した。同会長はバイオ燃料を活用することで、石油などの化石燃料価格の高騰や将来の供給量の減少に対するひとつの解決策と見出すことができると語っている。 
 
 同会長は、今後より多くの国がバイオ燃料を活用することになるので、その需要が急激に増えると予測する。地球温暖化防止条約署名国が二酸化炭素などの地球温暖化の原因になる排気ガスを減らすことが義務づけられていることもバイオ燃料の活用を促す要因になると同会長は語る。 
 
 パーム油生産業者、TSHリソーシズのケルビン・タン社長は「われわれの独自の調査によると、中国とインドを除いた世界的なバイオ燃料に対する需要は2年以内に1050万トンに達する見込みだ」との見通しを示している。なお、同社は年間30万トンのパーム原油を生産し、マレーシア東部のサバ州に3つ、インドネシアに1つの精製所を持っている。 


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