2005年08月21日16時35分掲載
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オンライン・ギャンブル産業が急成長 米国は意外にも厳しく規制
情報化時代の波に乗って、世界的にオンライン・ギャンブル産業が急速に成長しているという。業績が好調のため、新規公開株(IPO)として、上場を目指す業者も多い。オンライン・ギャンブルは今後2年間で市場規模が2倍近く増えるとも予想される。ところで、この中でも米国は最大の市場とみられているが、意外にも米政府は、米起業家らによるオンライン・ギャンブルの開設を認めていないため、時流に乗れないでいるという。(ベリタ通信=エレナ吉村)
米紙シカゴ・トリビューンによると、オンライン・ギャンブルは、世界全体でみると、ギャンブルとしては、まだまだ影響力は小さい。欧州の投資銀行が行なった2004年現在のまとめでは、競馬など伝統的なギャンブルは依然人気が高く、世界規模でみると、2370億ドル(26兆円)産業といわれる。オンライン・ギャンブルは、このうちの3・9%を占めているのに過ぎない。
ところが、2年後の2008年には、オンライン・ギャンブルの占める割合は、6・5%に跳ね上がり、急速に成長することが予想されている。
オンライン・ギャンブルの中でも急速に人気を集めているのが、トランプ使う例のポーカー・ゲーム。ネット上の“ルーム”に参加する人は、2003年には、1日平均2400人だったが、ここ最近は、6万人に急増している。
スペイン、英国、スウェーデンなどを拠点に活発にオンライン・ギャンブルが活動している。世界には現在、6つの大手“カード・ルーム”が存在するという。
その中の「PokerRoom.com」は、ポーカー好きの2人のスウェーデン人医学生が立ち上げた。04年には、運営企業「オン・ゲーム」が6000万ドルの売り上げを記録し、IPOとして、上場する話が浮上している。
また英国では、オンライン・ギャンブルを事実上支援する新法が成立し、ある関係者は「ロンドンは、オンライン・ギャンブルのシリコン・バレーになりつつある」と話している。
一方、ギャンブルには寛容にみえる米国では、オンライン・ギャンブルには厳しい姿勢を取っている。政治家たちが強く反対しているためで、理由はそのアクセスの容易さから、公認すれば、歯止めが効かなくなるとの不安からだ。
このため米国の会社は、オンライン・ギャンブルを開設することは禁じられている。各州では、長年にわたってカジノ場や宝くじ販売を許可してきた。しかし、オンライン・ギャンブルでは、雇用促進の効果もなく、また税金が捕捉しにくいため、許可をしないともいわれる。
だからといって、国民がネット上でアクセスするのを止めることはできない。しかもオンライン・ギャンブルに参加している多くは、米国人ともいわれる。
これを裏付けるような調査結果も出ている。全米ギャンブル問題評議会は、ギャンブルに苦しむ米国人のために電話相談を受け付けているが、04年には、この電話件数が25%上昇した。確実な資料はないが、この急増の背景には、オンライン・ギャンブルの影響があるとされる。
ギャンブルにのめり込む人にとっては、オンライン・ギャンブルは「潜在的な地雷原」との声もある。一人で簡単にアクセスできるという密室性から、社会的なプレッシャーを感じる必要性もないためという。
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