2005年08月27日00時33分掲載
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マレーシアで近く内閣改造か
【クアラルンプール27日=和田等】マレーシアで近く内閣改造が実施されるのではないかとの憶測が広がっている。アブドラ首相は最近、「9月初めに内閣改造の行なう考えはあるのか」との記者団の質問に対し「9月初めは外遊で不在だ。巷で言われるように9月に内閣改造があるかどうかは、待っていればわかる」と発言した。
また、8月下旬に実施された、与党連合・国民戦線の一角を構成するマレーシア華人協会(MCA)の党大会での役員選挙で、複数の副大臣が落選したことについてアブドラ首相は、「MCA内でさまざまな憶測が出ているが、内閣改造の権限は私にある。(落選組の)扱いは私なりに考えている」と語り、内閣改造を視野に入れていることを示唆した。シンガポールの華字紙・聯合早報が伝えた。
与党連合を構成する別の華人系与党・民政党(グラカン)も8月末に党役員選挙を実施するが、これで与党連合・国民戦線各党の新指導部が出揃うので、民政党の役員選挙後の適当な時期に、早ければ首相の外遊後にも内閣改造が実施されることになりそうだ。
アブドラ首相は2003年10月にマハティール前首相から政権を引き継いだ以降、徐々に「脱マハティール路線」を推進、その姿勢が評価され、首相就任後初めて行なわれた総選挙(04年3月)で与党連合が全議席の9割を占める地滑り的勝利を収めた。これにより、党内での基盤が弱いと言われた首相は面目躍如を果たした。
さらにその後も、汚職撲滅を政策の柱に掲げる首相は今年6月、自身が総裁を務める与党・統一マレー国民組織(UMNO)の党内ナンバー3だったイサ・サマド副総裁(連邦直轄区相、56)に、昨年9月の党役員選挙で票の買収を行なったとして停職6年の処分を科すなど、党内での影響力を高めつつある。
また、自動車輸入許可証発行の許認可をめぐり、側近に優先的に許可証を発行していたのではないかとの疑惑が取り沙汰されているベテラン女性政治家、ラフィダ・アジズ通産相の進退問題も浮上している。マハティール前首相の「子飼い」として約20年にわたって通産相を務めてきた同相の疑惑追及のきっかけをつくったのが、前首相の問題提起だったことも興味深い。
こうした流れを背景に、マハティール前政権時代の「残滓」をふるい落とす「総仕上げ」のひとつとして、首相が内閣改造を実施するのではないかとの見方が強まっている。内閣の座からはずされる閣僚としては、イサ連邦直轄区相、ラフィダ通産相のほか、昨年9月のUMNO党大会の役員選挙で落選したアズミ・カリド内相、シャフィー・サレー高等教育相、カディル・シェーク情報相の名前があがっている。
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