2005年09月02日16時40分掲載  無料記事
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米国で貧困者数が増加

【コングレス(米アリゾナ州)1日=マクレーン末子】米国経済の上向きにもかかわらず、昨年の貧困者数は一昨年より増加し、国民の12・7%が貧困ライン以下にいるという。ブッシュ大統領が政権について以来、貧困比率は増加している。30日国勢調査局が発表した。 
 
 米ワシントンポスト紙などによると、現在政府が定める貧困ラインは2人所帯では12600ドル(138万円)、4人所帯では19200ドル(211万円)。昨年の貧困ライン以下は110万人増え、3700万人と言われている。 
 
 黒人の25%、メキシコ系の22%と、依然マイノリテイーといわれている人々の貧困比率は高い。また、母子家庭や未亡人層も同様である。 
 
 昨年の平均所帯の収入は、約4万4000ドル(448万円)と、一昨年とほぼ同じである。昨年220万の仕事が増え、景気は上昇といわれているのに、なぜ平均収入は変わらず、貧困ライン以下が増え続けているのか。 
 
 ここ数年で米国では貧富の差がより広がっているという。経済政策機関の代表ローレンス・ミッシェル氏は「貧困率の増加は労働市場の弱さによるものだ。トップ5%の人々の収入は増えている。これらの人々は賃金ではなく、利息や配当金で潤っている」と指摘する。 
 
 今回の国勢調査局は、健康保険未加入率も同時に発表した。それによると、未加入者は、一昨年より200万人増え、国民の15・7%が加入していない。 


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