2005年09月07日00時06分掲載
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マレーシアでは一夫多妻者は1割程度
【クアラルンプール4日=和田等】財力を持ち先に結婚した妻の承認を得るといった条件をクリアーできれば、イスラム教徒男性には妻を4人まで持つことが認められているということはよく知られている。しかし、イスラム教徒(マレー人)が人口(約2600万人)の約65%を占めるマレーシアの例でいえば、実際に2人以上の妻を持っている男性は10%程度という。
この調査はマレーシア・プトラ大学が実施したもので、英字紙ニュー・ストレーツ・タイムズ(NST)にこのほど掲載された。既婚のイスラム教徒男性7589人を対象に昨年調査を行ない、ほとんどの男性は妻は1人で十分と思っていることがわかった。
それによると、妻2人を持っていると回答したイスラム教徒男性は7598人中5%で、妻を3人持っているという男性は4.3%、4人妻がいると答えた人は1%以下だった。90%近くの既婚男性が妻は1人だけと回答した。
ザイナル・イブラヒムさん(71)とノルシダ・アミンさん(68)の夫婦は41年間ともに連れ添ったカップル。ザイナルさんは、ノルシダさんとの結婚後これまで、2人目の妻を娶ろうとの考えが頭をよぎったことはないと言う。
「一回の結婚、それで十分さ。ひとりの人に満足しているのに、なぜ別の妻を娶らなければならないのだろうか。私はその必要性を認めていないからね」と語るザイナルさん。これがマレーシアのイスラム教徒男性の代表的な意見といえそうだ。
これに対して、マレーシアでは非イスラム教徒の多重婚は法律で禁止されているにもかかわらず、華人(全人口の約25%)やインド人(同7%)の間には2人以上の妻を持っている男性が少なからずいることがわかった。
多重婚をしているイスラム教徒の率と比べると、半分程度だが、法律違反にもかかわらず多重婚をしている非イスラム教徒男性が存在するということは、マレーシアには宗教上の規定や法律に関係なく多重婚を行なう習性があることが示されている。
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