2005年09月09日11時25分掲載  無料記事
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豪州でクレジット負債額急増

【アデレード8日=木村哲郎】オーストラリア統計局によると、99年には105億豪ドルだった個人クレジットカードの負債額が6年間で3倍増え、3百億豪ドルを超えたという。この数字を18歳以上の国民一人当たりで計算すると、一人当たり約2千豪ドルのクレジットカード負債を背負っていることになる。 
 
 銀行業と金融サービスの行政監査委員(オンブズマン)によると、大半の負債は低所得者のものであるという。 
 
 あるケースでは60歳の年金所得者のクレジットカード負債額が7万4000豪ドルまで脹らみ、返済する見込みがまったく立っていなかったという。この年金所得者は心身に障害があるため数年にわたり働くことができずに、公共住宅を提供され年金で暮らしていた。このケースでは監査委員の調査により、金融機関が返済能力を適切に判断していなかったとして、負債額が5000豪ドルに縮小された。 
 
 しかしこれは増え続けている無責任な融資業務の一つにすぎない。99年の7月から00年6月までの営業年度の間には148件の無責任な融資業務が発覚した。03年7月から04年6月までの営業年度では、その数が269件に増えており、監査委員によるとクレジットカードに関する報告が増えているという。 
 
 一番多い苦情はクレジットカードの金利が支払えないというものであり、安易にクレジットリミットを増やす銀行のやり方を監査委員は批判している。 
 
 一方、オーストラリアで一般にクレジットカードを運営する各銀行では金利により利益が過去最高となった。 


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