2005年09月11日01時10分掲載
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「米英のイラク侵略こそテロ行為」 マハティール前首相が痛烈批判
【クアラルンプール10日=和田等】9日にマレーシアの首都クアラルンプール市内のホテルで開催された人権に関する会議(主催マレーシア人権委員会)のオープニングで講演したマハティール前首相は、「イラクを侵略した米英の軍事行動こそ、テロ行為にほかならない」と指摘。「米英のイラク侵略の結果、フセイン元大統領が殺害し負傷させたとされる人たちよりも多くの人々が爆撃や銃撃によって殺害されているからだ」と発言した。
さらに「イラクの人々を救済したと考えられている大国は、実際にはテロ容疑者との疑いを抱いたイラク人や外国人を拘束、拷問することで人権に関する国際法に違反している。果たして、こうした大国がほかの国の内政に干渉し人権保護についての取り決めをおこなう権利があると認めることができるだろうか」と痛烈な疑問を投げかけた。
地元各紙によれば、この前首相の発言に対して、クレゴーン駐マレーシア英高等弁務官(大使に相当)とトス駐マレーシア・ハンガリー大使が抗議の念を表明するため、会場から退席した。
この件に関して記者会見で質問を受けたマハティール前首相は、「彼らに私を批判する権利があるように、私にも彼らを批判する権利がある。もし彼らがそうしないというのであれば、彼らには退席する権利がある」と述べた。
会場を退席したクレゴーン英高等弁務官は、「マレーシア人権委員会の招待を受け、会議のオープニングに出席した。しかし不幸なことに、自分の国対する悪口と誤った意見の表明を耳にしたので退席させていただいた」と、その理由を説明した。
一方、在マレーシア米国大使館によれば、同大使館はマハティール前首相が講演をおこなった午前の部には代表を派遣せずに、午後の部に代表を参加させた。午後の部ではハスミー・アガム元国連マレーシア常任代表とタイのチュラロンコン大学のビティット教授が講演した。
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