2005年09月12日11時36分掲載
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イラク駐留米軍が報復目的で放火か
【東京12日=齊藤力二朗】最近イラク駐留米軍が報復目的と思われる放火を市民の商店街で頻発に行っているという。8日付のイラクのニュース・サイト、イラーキ・リーグが報じた。
以下抄訳。
バグダッドのドーラ地区の民衆市場の多数の目撃者や商店主が次のような報告をした。
米占領軍のパトロールが6日の早朝3時半、ドーラ地区の民衆市場にやって来て、市場の番人を追い出し、アーケード内に押し入った。米兵が立ち去ってまもなく突然、大きな火の手が上がり市場の相当部分を炎上し、青果物や衣類、生地、化粧品、清掃用品、家庭用品、文具類、プラスチック製品など大量の商品をなめつくした。
市場の番人や周辺の住民は、消防署に救援を要請、消防車3台が到着したが、火の手が全てを延焼するように、米軍の指令でドーラ地区管轄の警察が消防車をマハディー地区の橋に約半時間ほど留め置いた。そのため、住民はアーザミーヤ地区の消防署に連絡した。
なお米占領軍はこの火事の前日に、市場を急襲し市場の関係者に抵抗戦士と武器の保管場所について情報を提供するよう協力を求めたが、市場の運営者たちに拒絶された。米軍は捜索したが一点の武器も発見できなかったが、以後米軍は時折イラク国家警備隊を引き連れ、市場の強制捜索を行い、無差別に住民を拘束している。
占領軍は翌日の7日の午後3時に再びやって来て公然と市場の経営者たちを追い出し、焼け残った部分を焼却するために現場から遠のくように命令した。
同紙は同様の多数の目撃証言を紹介している。
9日付のレバノン紙、アル・ムスタクバルは「市場の火災がイラクの悲劇の種に」と題して、最近頻発する原因不明の市場の火災を特集した。
夜間に市場で発生する連続火災には次のような特徴がある。
1)発生場所がバグダッドのアーミリーヤやドーラ地区など数ヶ月前から武装反乱勢力が強力で、米軍やイラク治安軍のパトロールに対する襲撃事件が頻発していた。そこで被災者の多くは米軍と治安軍に非難の矢を向けている。
2)ショルジャ(地名)での火災の被害者たちは、地域の治安維持を担当する42人の警備員が火災の発生前に突然姿を消したままである。
3)火災が発生するのは大量の輸入商品が入荷する日に起きるため、商店主の被害は大きくなる。
4)市民防衛隊や消防車による消火活動を妨害する勢力がある。また当局は火災の原因追及に無関心である。
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