2005年09月13日00時58分掲載
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マレーシアでタイ分離派が秘密会議か
【クアラルンプール12日】タイのタマラック国防相は9日、タイ南部のイスラム分離独立派組織がマレーシア北部のケダ州にあるリゾート地ランカウィ島で、タイ南部における襲撃計画を立てるための会議を複数回にわたって開いたと語った。ケダ州はマハティール前首相の「お膝元」とされる場所で、ランカウィ島は前首相のお声掛かりで開発が進められた。
「タイ南部でトラブルを引き起こしている分離独立派がランカウィ島を出撃拠点に使っている」との同国防相の主張に対してケダ州警察のモハメド・ズベル本部長は10日、分離独立派が同島で活動している兆候はないとして、国防相の主張を根も葉もない言いがかりと反論した。マレーシアの英字紙スターが伝えた。
同本部長はまた、6月に同島にタイ領事館が設置されて以降、タイからの訪問者が増えていることは事実と指摘した。タイ領事館によく足を運ぶタイ人は、観光部門を中心としたビジネスの機会を求める人たちとみられ、分離独立派組織とは無縁という。
またマレーシアのナジブ副首相兼国防相も11日、「ランカウィ島にはテロリストはいないし、テロリストの拠点になっているようなこともない」として、タマラック国防相の主張を否定した。
副首相はさらに「マレーシアはそのような会議が実施されたとは聞いていないし、ランカウィ島でそのようなことは起こっていない」と主張。タイ政府にこの件に関する情報を提供するよう求めた。
タイ政府は過去にも「分離独立派がマレーシア領に逃げ込み出撃拠点にしている」と主張、これを全面的に否定するマレーシア政府との間で政治問題に発展したことがある。
タイ南部では昨年初め以来、分離独立派とみられる武装集団による爆弾テロ事件や襲撃事件、治安部隊の過剰鎮圧などにより、これまでに900人以上が死亡している。
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