2005年09月22日23時45分掲載  無料記事
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マレーシアが鳥インフルエンザの流行防止対策を強化

【クアラルンプール22日=和田等】死者6人を数えた隣国インドネシアが鳥インフルエンザ流行重大警戒態勢をとると宣言したことなどを受け、マレーシアの関係当局は鳥インフルエンザの流行防止対策の強化に乗り出した。加工あるいは調理済みを含めた鳥類を密輸し逮捕された者を即刻訴追する措置をとるのもその一環だ。英字紙スターが報じた。 
 
 またマレーシア政府は21日、鳥インフルエンザ対策に向け農業、厚生、出入国管理に関わる行政当局に警察、軍の代表を加えた多省庁にわたる特別対策班を編成し、同インフルエンザを水際で阻止すると発表した。 
 
 このほか、関係当局は次のような措置をとる。 
1)家禽(きん)製品の輸入禁止2)入国地点での旅行者のカバンや所持品の無作為検査3)家禽局が国内のすべての養鶏農場の検査を実施4)野生動物局が野鳥保護区の検査を実施5)動物園が渡り鳥による国内の鳥類へのウィルス感染がないかどうかの監視を毎日実施 
 
 マレーシア政府が国境地点での警戒に力を入れるのは、鳥インフルエンザ流行中のインドネシアと国境を接しているためだけでなく、昨年マレーシア北部でタイ南部から持ち込まれたニワトリが元になって鳥インフルエンザが流行したという苦い経験を持っているからだ。死者は出なかったが、大量の家禽の処分や補償支払いなどで多額の出費を強いられた。 
 
 また、鳥インフルエンザの拡大を警戒した隣国シンガポールがマレーシアからの鶏肉や鶏卵の輸入禁止措置をとったため、シンガポールを最大の消費地とするマレーシアは経済面でも大きな損失を被った。こうした苦難の時期を経てマレーシア政府は今年初めになって、鳥インフルエンザ終結宣言を出し、シンガポールへの鶏肉、鶏卵の輸入を再開した。 


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