2005年09月27日14時59分掲載
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戦死兵の母シーハンさん逮捕される ホワイトハウス前で
【コングレス(米アリゾナ州)26日=マクレーン末子】反戦運動の象徴的な存在となっているイラク戦死米兵の母、シンデイー・シーハンさんが26日、ホワイトハウス近くで座り込み中、警察の退去命令に従わなかったとして逮捕された。
ニュースサイト「ビレッジ・ボイス」などによると、26日の逮捕は、シーハンさんたちのホワイトハウス周辺でのデモ行進の後起こった。ホワイトハウス前で数百人は立ち止まり、「今すぐ戦争をやめろ」とシュプレヒコールをした後、歩道に座っていた。警察は即立ち去るように警告したが、立ち去らなかったシーハンさんら約300人は、警察に取り押さえられ連れ去られという。
シーハンさんは、今夏テキサス州クロフォードにあるブッシュ大統領私邸近くで、抗議の座り込みを続け全米の反戦運動に火をつけた。
8月末、ハリケーン・カトリーナ対策のため、休暇を早めに切り上げた大統領を追いかけるように、シーハンさんと戦死兵の家族たちは、ワシントンへと向かった。途中25州で反戦活動を展開した後、24日のワシントンでの反戦大集会に合流した。
シーハンさんの息子のケーシーさんは昨年4月イラクで戦死した。24才だった。以後、シーハンさんは「平和の戦死兵の家族の会」を結成、、反戦を訴えてきていた。8月には26日間、「息子はなぜ死んだのか、大統領に問いたい」と抗議の座り込みを続けた。
ブッシュ大統領に息子の死の意味を真摯に問いかけるシーハンの姿は、全米で共感を呼び支援者は増え続け、反戦運動は大きなうねりとなって広がっていった。
24日のワシントンでの大集会は、シーハンさんグループに加え、「戦争と人種差別に反対し行動を起こそう同盟」や「平和と正義連合」などが中心となり参加者を募ってきた。主催側によると、30万人が参加、当初の目標10万人をはるかに超えた。2003年3月のイラク戦争突入以後、最大規模の集会となった。
24日の集会では、黒人公民運動家のジェシー・ジャクソン師は、シーハンさんを黒人公民運動家のローザ・パークス女史に例えた。「シーハンさんはイラク戦争の意味を問いかけ、反戦運動の大きな原動力となった」と語った。1955年、アラバマ州で、パークス女史は人種分離法に不服従のため逮捕され、それがきっかけとなり、黒人による公民権運動が燃え上がった。
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