2005年10月26日14時09分掲載  無料記事
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「普天間基地の県内移転は沖縄を愚弄」 県民会議が小泉首相に米国領への移転を要求

 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移転先をめぐる日米協議は、同県名護市への移転を前提とした日本側の「陸上」案と米側の「浅瀬」案の調整がつかず難航している。しかし、肝心の沖縄県民の声はほとんどメディアでは伝えられない。以下に紹介するのは、「基地の県内移設に反対する県民会議」(共同代表・山内徳信3名)が21日に小泉順一郎首相宛に出した緊急要請文である。同会議は、「県民を愚弄する」日米現行計画の断念と、普天間飛行場の太平洋上の米国領への移転を強く求めている。(ベリタ通信) 
 
 
内閣総理大臣 
小泉 純一郎 殿 
 
基地の県内移設に反対する県民会議 
共同代表 山内徳信 
     佐久川政一 
     中村文子 
 
 
基地の再編協議の中で目に余る沖縄への新たな基地押し付けを断固拒否する緊急要請 
 
 沖縄県民は昨今の日米両政府の基地の再編協議の動向に神経をとがらせ怒りが頂点に達しております。端的に申し上げれば普天間飛行場の代替基地をつくる場所は狭い沖縄(全国の0・6%の沖縄県)にはありません。ところが日米両政府は沖縄県民の存在を全く無視し「陸上案」だ、「浅瀬案」だ、「沿岸案」だと勝手気侭に主張し合ってきました。日本政府は、日本国内の他の都道府県でこのような勝手気侭なことはやらないでしょう。これは東京から離れた沖縄に米軍基地は封じ込んでおけという日本政府の沖縄県民差別の実態であり断じて許すことはできません。 
 
 沖縄は無人の島ではありません。沖縄は無人の砂漠でもありません。沖縄はアメリカ軍の占領下でもありません。日本やアメリカの植民地でもありません。主権国家日本の一県であり、基本的人権を有する135万人の住む自治体であります。沖縄県民にも、本土在住日本国民にも、アメリカ国民にも共に「基本的人権が保障され平等に取り扱われる」ことが日本国憲法の精神であり、大原則であります。 
 
 沖縄県のみに更に新しい基地を押し付けようとする日米両政府の行為は憲法の精神に反するものであり、沖縄県民総体として断固拒否することをここに表明いたします。 
 
 つきつめて言えば、本土国民の嫌う米軍基地は沖縄に封じ込んでおけという醜い日米政府の沖縄県民無視、沖縄差別以外のなにものでもありません。沖縄県民として日本政府に申し上げておきたいことは「一寸の虫にも五分の魂」と「窮鼠猫を噛む」ということわざのあることを知ってほしいと思います。 
 
 日米両政府が日米友好関係を本当に重要視していると言うのならば、基地の理不尽な押し付けで「地下のマグマ」が爆発しないよう県民の納得がえられるような方策を講ずる責任があります。 
 
 日米首脳が合意した「基地負担の軽減」さえも無視し、強引にしかも強権的に「浅瀬案」とか、「沿岸案」などと主張し合っても所詮は県民をだまして飛行場(MV22オスプレイ配備の)を造り、有事に備えようと言うものであり、これ以上県民を愚弄する話はありません。 
 
 なぜ日本政府は、毅然とした態度でアメリカ政府に対し「世界一危険といわれている普天間飛行場の閉鎖・返還」を要求しないのですか。それが自国民の生命と財産を守る主権国家日本の外交交渉ではないのでしょうか。それが出来ないと言うのでしたら、どうぞ小泉首相の、町村外務大臣の、大野防衛庁長官の、額賀福志郎座長のお膝元でお引き受け下さい。それが小泉首相の言われた「沖縄の基地の負担軽減を全国で、或いは国外移転を含めて検討すべき」との発言の主旨にかなうものです。 
 
 日本政府は沖縄側から見ると「親子関係の親」なのです。どうかこれ以上の「沖縄苛め」を止めて下さい。心からお願い申し上げます。 
 
 願わくば最終的判断を下される小泉首相、町村外務大臣、大野防衛庁長官の合議による歴史的な大英断(聖域なき構造改革)によって普天間飛行場の「県内移設」という条件ではなく視野を外に向けられ巾広い観点から抜本的な解決策が講ぜられ、戦後60年にわたって苦悩し続けてきた沖縄県民の上に「開放と幸福の喜び」が訪れますよう強く訴え下記のことを緊急要請といたします。 
 
 
1.日米両政府は「現行計画断念」を正式に表明すること。 
2.沖縄県民は新たな基地(浅瀬案、沿岸案)に反対であり、日米の中間報告に盛り込むことがないよう予め要求いたします。 
3.普天間飛行場の代替基地をつくる場所は、受容の限度を越える沖縄にはありません。円満に友好関係を維持するために太平洋にあるアメリカ領に移転するよう要求いたします。 


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