2005年11月10日23時28分掲載  無料記事
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インドネシア人少女を「契約妻」に 日本、韓国人らが西カリマンタン州で

 【クアラルンプール10日=和田等】インドネシア領カリマンタン島(ボルネオ島)の西カリマンタン州シンカワン。州都ポンティアナクから155キロ離れた地点に位置するこの街の別名は「コタ・アモイ」。「コタ・アモイ」とは「少女の街」の意味だが、実際には「(契約妻になる)少女の(いる)街」という意味が込められている。台湾人や日本人、韓国人の男性と契約し、一定期間、身を貸し出す「レンタル妻」「契約妻」になる少女が、この街では珍しくないからだ。 
 
 シンガポールの英字紙「ニュー・ペーパー」の取材班がさきごろ、「コタ・アモイ」を訪れて関係者に取材、次のようにレポートした。 
 
 「コタ・アモイ」郊外のある村の村長モハンマド・ダイリさん(63)は、「この村では、1980年以降、約50人の少女が外国人に嫁いだ。みな契約妻だ」と明かす。 
 
 この町にあるホテルの受付カウンターで5年間働いているというアディさん(27)によると、このホテルに宿泊する外国人男性の多くは、「契約妻」を探しに来る客だ。 
 
 ロビーには手配師らしき男たちがうろつき、外国人とみると話しかける。村に案内して「見合い」をしてもらい、話がまとまると契約書を作る。契約料は2−5年間の「レンタル」で3000万ルピア(約34万円)という。 
 
 同地の日雇い作業員の月収は60万ルピア(約6800円)がいいところ。年収にして720万ルピア(約8万1600円)にしかならない。娘を「契約妻」に出した親には、こうした労働者の4年分の金が一度に転がり込むのである。 
 
 「契約妻」になる少女たちは、全員が中国系インドネシア人だ。貧困家庭で毎日苦しい生活を送る家族の期待が、少女に身の寄せられる。契約がまとまると、少女は「夫」に連れられて「夫」の滞在先に行くか、または台湾や韓国に花嫁として渡航する。 
 
優しい「夫」ならいいが、暴力をふるう男と契約した少女の末路は悲惨だ。しかも、契約期間が過ぎれば、あたかもモノを捨てるように、放り出される恐れもある。「コタ・アモイ」には、人間ですらモノのようにレンタルの対象とされる現実がある。 


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