2005年11月13日20時54分掲載  無料記事
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米で目立つ女性の銀行強盗 FBIも「想定外」

 米国で女性が銀行強盗を働くケースが目立っている。米連邦捜査局(FBI)によると、銀行強盗は20代半ばから後半の若い男性がほとんどといわれる。しかし、米シアトル州で発生した連続銀行強盗犯も女性といわれ、またカリフォルニア州などでも男に混じって女性が一味に加わり犯行に及んでいる。米国の大恐慌時の1930年代に、テキサス州などで多数の銀行を襲った男女の一味「ボニー&クライド」を思い出させる動きだ。(ベリタ通信=苅田保) 
 
 米ワシントン州(西海岸)では、10月から11月にかけて連続銀行強盗が発生。今月1日には、ハロウィーンの魔女に変装した女性が、ワシントン・ムーチャル銀行に現われ、窓口で「武装している。金を出せ」と書いた手紙をみせ、金を奪って逃げた。金は逃走の際に、盗難防止用の染色パックが破裂したため、大半の金を落とした。 
 
 警察では、ワシントン州で起きている連続強盗犯と断定した。年齢は20から30歳台。鉤鼻で、犯行時に唇をかみしめているのが、特徴。銀行の監視カメラにその様子が記録されている。警察では、麻薬を買う金欲しさから犯行を重ねているとみている。 
 
 カリフォルニア州でも11月1日に、二人の男と1人の女性のグループが銀行を襲っている。 
 
 FBIには、女性の銀行強盗の資料はあまりない。それだけに女性が銀行を襲えば、いやがうえにも目立つ。女性が単独で銀行強盗を働く際、武器を携帯している脅迫することが多いが、実際は武器を持っていないケースも報告されている。 
 
 米誌レディーズ・ホーム・ジャーナルによると、FBIでは2001年の9・11同時多発テロ以降、テロ対策に人員がとられ、従来に比べ銀行強盗への捜査が手薄になっている。このため、女性の銀行強盗犯が目立っているものの、どの程度増加しているのか、はっきりとした資料がないという。 
 
▽ローン未払いなど理由に 
 
 メアリー・アン・ブラウン(35)は、ワシントン州シアトルで銀行を4度襲った。そのうち一度は、9歳の娘を同伴していた。犯行時に漫画のキャラクター入りのバッグを持っていたため、「かばんを持った強盗レーディー」と警察がニックネームをつけた。既に逮捕され、ことし有罪を認めている。 
 
 女性が強盗を働く理由は様々だ。ミシガン州などで銀行を襲い、2年前に逮捕されたマーガレット・アン・トマスアービング(57)は、10カ月間にわたり銀行を襲い、計1万6000ドルを奪った。強盗をした理由は、事業がうまくいかず、家のローンが払えなくなったため。ローンが未払いになると、差し押さえを受け、競売にかけられてしまうからだ。 
 
 現在テキサス州で5年10カ月の禁固刑を受け服役中の彼女は、一度犯行を犯した後、坂を転げるようにずるずると続けたと話している。 
 
 FBIによると、近年女性が会社の金を着服したりする事件も増加しているという。クレジット・カードの支払い、買い物中毒、ギャンブルの借金などが着服の原因とされる。オハイオ州の38歳の会計担当は、夫と合わせ年収が8万ドル(約910万円)あったが、クレジットの借金がたまり、会社の金23万ドルを盗んでいた。 
 
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