2005年11月22日15時15分掲載
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米でインターネット「懺悔」が人気 カトリック教会は無視の姿勢
カトリック教会などでは、神父に対して罪を告白し、神の許しを得る「懺悔」が行なわれているが、情報革命時代の米国で今、教会に代わって、オンラインの「告白」サイトが人気を集めているという。本来の教会での告白=懺悔と違い、パソコンなどが目の前にあれば、誰でも参加できるのが特徴だ。告白は、匿名でスレッドに書き込むことが許可されており、性的な告白など、かなり赤裸々な描写も目立つ。宗教上の「告白」とは、かなり異なった内容だが、若者を中心に支持者を増やしている。(ベリタ通信=江口惇)
米コロンビア・ニュースによると、インターネットの普及で、ユーザーが、告白サイトを使って、気軽に「懺悔」ができるようになったという。この背景には、相次ぐ告白サイトの誕生がある。現在人気があるのは、「dailyconfession.com」「notproud.com」「grouphug.us」などだ。
ホームページは大体同じような体裁で、投稿者の告白は、アクセスすれば誰でも読むこともできる。キリスト教の「懺悔」を意識してか、旧約聖書にある預言者モーゼの十戒や、同じキリスト教で人間が犯してはならない罪とされる「七つの大罪」を参考にして、告白が内容ごとに分類化されているサイトもある。
モーゼは、エジプトから迫害を受けたイスラエルの民を引き連れ、安住な地に向かっていた時、シナイ山で神から、神への絶対的な信仰や、殺人、姦淫(かんいん)、盗みなどを犯さないなどの十の戒めを啓示されたとされる。七つの大罪は、傲慢・強欲・怠惰・暴食・色欲・嫉妬・怒りを指す。
告白の内容は、「今回で6度目の約束だけど、今度こそ夫を騙さない」といった女性からの投稿のほか、「誰かが(会社の)冷蔵庫から、私のランチを盗んでいる。だから今度は、キャット・フード入りの素晴らしいサンドイッチを作ってあげた」など様々。このほか、性体験、夫婦生活などセックスに関する告白も目立っている。
ネット告白の人気について心理学者たちは、皆同じような間違いを犯していることを知ることは、多くの人々に安心感を与えるからだと分析している。
しかし、教会での厳粛な告白とは違い、ネット上の告白は、日常の出来事に関するものも多く、告白しても、再び同じような“罪”を犯す可能性があるのも特徴だ。
告白サイトの中でも異色なのが、「postsecret.com」。発案者のフランク・ウォレンさん(41)は2004年11月に、街角で3000枚の葉書を配り、秘密を書いて送ってほしいと呼び掛けた。回収した葉書を使って芸術表現をするのが狙いだった。かなりの回収率があり、内容が面白いので、葉書を照会するサイトを始めたところ、爆発的にヒット数があった。
現在でも郵便で送られてきたユニークな葉書をそのままネット上に掲載している。告白内容は簡潔なものを投稿者に求めている。
一方、カトリック教会では、インターネット告白をまったく相手にしていない。教会関係者は「電話での告白はあるが、ネットの告白は許されない。告白は、神父の前で行なうもので、ネット告白は無効」と話している。
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