2005年12月02日04時59分掲載
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イラク人にエイズウイルスなどを強制注射? イラク駐留米軍
【東京1日=齊藤力二朗】イラクにおける人権抑圧に関して記録された実際の例。アメリカ兵がイラクの村に侵入し若い男性次々に無理やり注射を打ったとの訴えを11月24日付のバスラ・ネットが報じた。
事件は2005年10月24日に、イラク・ドジェイル地方のハズラジ地区シジラ村で起きた。アメリカ兵たちが通訳を伴い午前9時に村にやって来て、家々を破壊し始めた。兵士たちは村人の男性に出頭するよう命令した。
今回の情報をもたらしてくれた村人の家族へは、4人のアメリカ兵がスーダン人通訳を連れてやって来た。兵士らは老人を家に戻し、青年たちには残るよう命じた。彼らはある名前の男性について問いただしたが、そのような名前の男性はいなかった。その時、家には若者3、4人の兄弟といとこがいた。
兵士全員が、白色で不透明で中身の見えないプラスチックの注射器を持っていた。兵士は彼らに対し、この村から砲撃を受けたと密告者が教えたと言った。イラク人はこの情報を否定し、自分たちはただの農民だと告げた。通訳を通し兵士はさらに、村人に注射を打ち、そうすれば村人がどこへ行こうがスクリーン上で監視できるようになると言った。当然、村人たちは注射を拒否した。
青年たちは一列に並ばされた。これはおそらく彼らが村に来る前に計画していたことであろうが、通訳が最初の1人を意識を失うまで殴りつけた。そしてアメリカ兵は彼の兄弟が見ている前で、ズボンの上から足に注射針を突き刺した。2人目から順番に注射を受けるよう命じたが,全員が拒絶した。このため同じやり方で同じ注射針で残り全員が注射を打たれた。アメリカ兵は針も注射器も代えなかった。注射が終わると米兵は立ち去った。
注射を打たれた青年が検査を受けた結果、エイズウィルスとB型肝炎ウイルスに感染していることが判明、このため専門医は彼らに治療を受けるため病院に来て、被害を訴え出るように要請した。しかし、10月27日に来たのは4人だけだった。
4人は地方議会に行き、地域政府に被害を訴え出た。地域担当の米軍将官が村に来て、注射した米兵名を告げるよう要求したが、被害者たちは米兵名を知らず、状況を言葉で説明した。将官は同行した兵士たちに「誰がそのような命令を発したのか」と尋ねた。注射した米兵4人が連れてこられた。
兵士たちは将官に自分たちが注射を打ったと自供した。将官は怒り、(この部分は通訳されなかったが、イラク人達は十分に理解した)「今日、このような無責任な行動のためにアメリカ軍は世界的に敬意を失墜させた」と米兵たちを叱責し、スーダン人通訳には、「お前のような男はスーダンに帰れ」と叱りつけた。
犠牲者らはイラク・イスラム法学者機構にも出向いたが、我々が理解した限りでは、機構は特異なケースとして問題化する予定だ。さらに、いくつかの衛星テレビ放送がこれらの男性達にインタビューするよう希望している。また、イラク国内で活動する人権団体にも訴える計画もある。
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