2005年12月08日22時27分掲載
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豪州の東アジア共同体参加にあらためて異義 マハティール前首相
【クアラルンプール8日=和田等】在任中にオーストラリアに対する敵意をむき出しにしてきたマハティール前首相が、14日にクアラルンプールで開かれる東アジア・サミットを控え、“域外国”オーストラリアの同サミットや将来の東アジア共同体への参加にあらためて異議を唱えた。
前首相は、地理的そして人種的にみてもアジアの一員とはいえないオーストラリアやニュージーランドの参加により東アジアサミットが「両国に支配」され、アジアの意見を反映しないサミットになってしまうのではないか、との懸念を表明した。
これに対して、東アジアサミット参加の必須条件である東南アジア諸国連合(ASEAN)友好協力条約に10日に署名するオーストラリアのダウナー外相は「民族や人種で国を定義することがむずかしくなっている今日の社会の中で、民族や人種で地域分けをすることは無意味」と反論した。
さらにダウナー外相は「地理的にみてオーストラリアとニュージーランドを東アジアに含めないとの見方をするのではなく、政治的な見地から判断して地域共同体の枠組みを考えるべきだ」との考えを示した。
こうした裏には、東アジア共同体に域外の国を含めない地域限定的な共同体にしたいとの思惑を抱くマレーシアや中国と、域外の国にも参加の門戸を開くべきとの立場をとるオーストラリアや日本などとの間の意見の相違が反映されている。
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