2005年12月13日15時21分掲載
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世界一リッチな「オナシスの孫娘」、遺産でなお壮絶バトルか
2003年1月に18歳になったとき、アシーナ・オナシスさんは、ギリシャの海運王といわれた祖父オナシス氏が残した遺産の約半分に当たる約10億ドル(約1200億円)を継承した。当時、アシーナさんは「世界一大金持ちの少女」と呼ばれた。そのアシーナさんが今月、ブラジルのサンパウロで、オリンピック選手だった12歳年上のブラジル人男性と結婚式を挙げ、セレブの結婚としてメディアの話題をさらった。しかし、メディアの関心は、今後再び起こると予想される残る10億ドルをめぐる“遺産相続バトル”の行方に移っている。(ベリタ通信=エレナ吉村)
アシーナさんの祖父オナシス氏は、ギリシャ海運業を支えた代表的な船主の1人。彼には、離婚した妻との間に長男アレキサンダー氏と長女クリスティーナさんという二人の子どもがあった。アシーナさんの母親がクリスティーナさん。父親はフランス人男性だが、二人は離婚している。
オナシス氏は、当時世界最高のソプラノ歌手といわれたマリア・カラスさんを愛人にしていたというのは有名な話で、その後1968年には、暗殺されたケネディ大統領の未亡人ジャクリーンさんと再婚している。
1973年1月、オナシス家に不幸が襲う。長男アレキサンダー氏が1973年1月、飛行機事故で死亡したのだ。オナシス氏もその2年後の75年に69歳で死亡。ジャクリーンさんはオナシス氏の死去の後、ギリシャを離れている。この結果、オナシス家直系の遺産相続者は、アシーナさんの母親クリスティーナさんだけになった。
そのクリスティーナさんも88年に南米アルゼンチンで急死。薬物使用が原因ともいわれる。当時に残されたアシーナさんは3歳。このため遺産は18歳の法定年齢まで信託扱いになった。
アシーナさんは、クリスティーナさんと離婚し、別の女性と結婚していた父親のフランス人男性に引き取られ、スイスで養育された。当時から世界中のメディアの関心を集め、このため誘拐を警戒し、アシーナさんには、常時ボディーガードが付き添った。
オナシス家の遺産は、簡単に言えば、長男と長女の分にニ分割されており、長男の分は、オナシス氏の生前の番頭たちが「オナシス財団」という組織を作って海運ビジネスや慈善事業を行なっている。この二つを合せると遺産総額は20億ドルになる。
アシーナさんはこのうち、10億ドルは相続した。相続前の17歳の時、趣味の乗馬が縁で、ブラジル人男性と恋に落ちた。この男性は、オリンピックの馬術に出場し、二度銅メダルを受賞したこともある有名人。この男性には、妻子があったが、男性は家族を捨てて、世界一リッチな女性のもとに走った。このためゴシップ紙は、アシーナさんとの結婚は金目当てとも書き立てている。
各種報道を総合すると、アシーナさんが10億ドルを相続した直後、フランス人の父親が彼女の財産を管理すると主張したため、父と娘の間で訴訟沙汰になっている。この訴訟では、当時恋人だったブラジル人男性が、アシーナさんを背後から支援したといわれる。裁判では、アシーナさんは勝利したが、父親との関係は冷却化した。
各メディアは、アシーナさんがブラジル人男性と結婚したことで、次の狙いは、「オナシス財団」の“制圧”だとみている。財団を管理する番頭たちは、1日たりとも働いたこともなく、ギリシャ語も話せないアシーナさんには、財団の管理はできないと主張している。
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