2006年01月14日15時39分掲載
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米CNNの花形記者を盗聴か ブッシュ政権は否定
米CNNの花形女性記者クリスチャンヌ・アマポールさん(47)が、通信傍受などのスパイ行為を行なう国家安全保障局(NSA)から盗聴されていたのでは、との疑惑が浮上している。アマポールさんはイラン系米国人で、アフガニスタン、中東などの移動特派員として活躍している。NSAは、CNNの問い合わせに対し、アマポールさんを監視の対象にはしていないと語った。NSAは個別の照会には通常は回答しない。しかし、ネットのブログがこの問題を大きく取り上げているため、個別回答に踏み切ったという。(ベリタ通信=苅田保)
NSAの盗聴問題は、昨年12月中旬、米紙ニューヨーク・タイムズのジェームズ・ライゼン記者がスクープ記事を公表、反響を呼んだ。
記事によると、2001年の9・11同時多発テロの後、ブッシュ米大統領はNSAに対し、特別裁判所の許可を受けないで米国内の居住者が行なう国際電話の盗聴や、電子メールの盗み読みを許可した。
ブッシュ政権は、盗聴指示は米国民をテロから防衛するためのものであり、対テロ戦争下においては、大統領権限内にあると盗聴を正当化している
米議会は、NYタイムズの暴露記事を受け、大統領が法律違反を犯していないかの調査を行なう予定。これに対し、米司法省は、NYタイムズ紙にNSAの秘密盗聴を漏らした者に対する捜査を開始している。
アマポールさんへの盗聴疑惑は、NYタイムズの記事に絡んで浮上した。米NBC放送の記者アオンドレア・ミッチェルさんが、今月初め、記事を執筆したリゼン記者にTVインタビューした。このインタビューの発言内容は、事前にインターネットで公開された。
ネットで発表された文の中で、ミッチェル記者が、ライゼン記者に「アマポール記者が盗聴されているのを知っているか」と尋ねていることがわかった。ライゼン記者は「知らない」と答えている。しかし、この二つの文が、間もなくネット上から削除された。
このためブログ上で、なぜ削除されたのか、なぜミッチェル記者が、アマポール記者が盗聴されていると思ったのか、などとさまざまな疑問が沸きあがった。
ミッチェル記者は、NBCの外交問題の専門記者で、97年に米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長と結婚していることでも知られる。
ブログでは、アマポールさんが、NSAが関心を寄せる中東の関係者と取材のため数多く連絡を取っている可能性があるため、盗聴の対象だったのではないかとも指摘も行なわれている。
アマポールさんは、英語、ペルシャ語、フランス語が堪能で、最近は中東問題で幅広く取材活動を行っている。1998年にクリントン政権下の国務省スポークスマンを務めたジェームズ・ルービン氏と結婚している。
戦争取材など、危険地域にしばしば派遣され、CNNでも高額給与を受けている。米紙ロサンゼルス・タイムズのスコット・コリンズ記者は、1999年当時のアマポールさんの年収は200万ドル(約2億3000万円)と自著の中で明らかにしている。
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